TURN84 山下の焦りその十
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「占領地で」
「だからなのか」
「王女さんは暴れることが趣味だから」
それも大暴れである。
「あんまり酷くて治安が乱れる」
「しかし私は強いぞ」
「強くても攻略後の治安回復の妨げになる」
かなり重要である、これは。
「その星域の国家が加わってくれたら治安は即座に回復するけれど」
「じゃあ今度はペルーを仲間にしればいいぞ」
アルビルダはアイスランドの話から解決案を出した。
「それで万事解決だ」
「それはそうだけれど」
「何かあるのか?」
「国家がそこで仲間に加わってくれるとは限らないから」
それでだった。
「王女さんは攻略戦は駄目」
「ううむ、退屈だぞ」
「退屈なら格闘技でもしていて」
アイスランドは無表情でアルビルダに言う。
「そこで好きなだけ大暴れして」
「格闘技か」
「そう」
格闘技なら何でもいいというのだ。
「そうして」
「ううむ、何か腑に落ちないぞ」
「納得してくれなくても決まってるから」
実際に暴れ回って驚いた日本陸軍の憲兵達が止めに入って大騒ぎになったことも何度もある、日本軍の憲兵達は勤勉だ。
「そういうことで」
「わかった、じゃあ日本軍の憲兵達と遊ぶぞ」
「迷惑をかけないでね」
その憲兵達にだというのだ。
「あの人達も仕事があるから」
「早く治安を回復するのだ!」
「ちょっと待ってて」
こうした話をしてアイスランドも出撃した、この戦いにはキューバやメキシコも加わり前にも増して充実した戦力での戦いとなった。
戦闘はここでも艦載機を上手に使った枢軸軍の勝利に終わった、彼等は南米への入り口を確保したのだった。
ペルーも仲間に加わった、だがだった。
帝の提案した親睦会、それは茶会だった。
しかしそれは日本の茶道のそれだ、ダグラスはその茶会で座布団に座りながら苦しい顔をして脂汗を流していた。
そのうえで国務長官のハンナに問うた。
「おい、いいか?」
「正座のことね」
「これは何の拷問だ?」
「日本の正規の座り方よ」
「日本人はこんな座り方でいて平気なのか!?」
「帝はいつもこうして座ってるけれど」
答えるハンナの顔も苦しげである。
「それでもね」
「これはたまらないな」
「私もよ」
「国務長官もか」
「こんなのははじめてよ」
ハンナは何とか苦痛に耐えながら言う。
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