第44話 寺子屋へ行こう
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近づける。
「奇遇やねぇ、なのはちゃんも寺子屋に来る事になったん?」
「てら……こや?」
ぎこちない受け答えをする。はやては首を傾げて疑問を抱いた。何故寺子屋と言う言葉に疑問を抱くのだろう。確か入り口に大きく書かれていた筈だが。
「入り口の方に書いてなかったっけ? 看板に大きく書かれてた筈なんやけど?」
「何か書いてあったのは見たよ。でも、私漢字あんまり読めないんだよね」
「読めへんって……あの字って結構常識やで」
「だって、私漢字習った事ないもん」
あんぐりとはやての口が開いてしまった。此処でははやてとなのはとの間で常識の違いが大きく出てしまっているようだ。
一応はやては9歳までの教育をそれなりにこなしているが、なのはは学業など全くやっていない。
万事屋の手伝い系統の事ならば既に覚えており慣れたものだが、その反面一般常識が著しく欠如してしまっているようだ。
お登勢の心配が此処に出てきたと言えるだろう。
すると、その横で笑い出す者が居た。言わずもかなヴィータの事である。
「何だお前、頭良さそうな顔してるのに結局は馬鹿丸出しなんだな。お前んとこの奴等と同じじゃねぇか」
大声で壮大に叫びながら笑うヴィータ。そんなヴィータに膨れっ面で睨み付けるも、事実な為なのか? それともこれが大人の対応と誤解しているせいなのかは定かではないが、なのはは反論はしなかった。
変わりに、隣に居たはやてがヴィータの鼻を摘みあげる。
「そないな事言ったらあかんよヴィータ。それにヴィータかてあの字読めへんかったやないか」
「だ、だってよぉ〜」
「だっても何もあらへん! ヴィータかて漢字読めへんのやから」
どいうやらヴィータもあの文字が読めなかったようだ。つまり、二人の脳レベルはほぼ同じ位と言う事らしい。
三人がやいのやいのと騒ぎ立てているのを、回りの少年少女達はじっと見ていた。まるで珍しい生き物でも見つけたかの様な目線で。
まぁ、この三人は今日からこの寺子屋で勉強しに来た為に初めて見るのも無理はない。
「それで、寺子屋って何? 皆で集まって何する所なの?」
「う〜ん、要するに学校みたいなもんやないんか? あ、学校って言うのはなぁ、こないな風に皆で集まって色んな事を勉強する所なんやでぇ」
「へぇ〜」
なのはにとっては初めて触れる空気であった。今まで万事屋の仕事などはノリと勢いで覚えてしまった感じなのだが、その為に一般的な常識の殆どが欠落してしまっていた。
なので万事屋の仕事以外では殆ど馬鹿と呼べる位のレベルでしかないのだ。
まぁ、生まれてこの方、一度も勉強をした事がないのだから無理はないが。
「ねぇねぇ〜、君達は今日から来た子達なのぉ〜?」
そんな感じで三人で話していた矢先、三人の隣の机に一人ポツンと座っ
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