第44話 寺子屋へ行こう
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な面倒な事やってる訳ねぇだろ? 基本ほっぽりっ放しだよ」
予想通りと言えば予想通りな返答が帰って来た。この銀時がなのはに教養を施している筈がないのは既にお登勢も知っていたのだから。
しかし、それではお登勢も心配の芽が潰える事はない。返って膨らんでしまった。
「やっぱりねぇ、でもそれじゃ将来あの子困るんじゃないのかぃ?」
「そうは言うけどよぉ、俺にどうしろってんだぁ? 銀さんこう見えても教育免許は持ってねぇし、仕事の合間を縫ってあいつに勉学を仕込むなんて無理だぜ」
普段からやる気のない銀時がそんな面倒な事をするとは到底思えない。かと言って、神楽や新八に任せるのも不安が残る。
どうしたものかとお登勢は顔を曇らせていく。そして、ひらめいた。
「そうだ、銀時。寺子屋に入塾させたらどうだい?」
「冗談じゃねぇよ! そんな金、一体何処にあるってんだよ? 最近の教育費用って結構高いんだぜぇ」
折角の妙案を金銭で不意にするとか、この男は何所まで腐っているのだろうか?
そう思える発言でもあった。しかし、お登勢がそんな言い分で引き下がる筈がないのは既に承知の事。
「しょうがないねぇ。そんじゃこっちで何とかしてみるかねぇ」
「お、費用全部持ってくれるのか?」
「何言ってんだい? そんな上手い話に行く訳ないだろうが! 半分はあんた持ちだよ」
「あっそぅ」
半分安堵して半分落胆する。そう言った心境の銀時であった。だが、考えようによっては悪い事だけではなさそうだ。
まずいちいち五月蝿いなのはが寺子屋入塾すればそれだけ静かに時間を過ごせる事となる。
本人は遊びと勉学に忙しくなるのでその分こちらに飛び火する危険度がグッと下がると言うのだ。
これは銀時としては大変嬉しい話でもあった。まぁ、欠点としてはその間仕事は自分で探さねばならないと言う事があるのだが、その点についてはさほど問題視してはいない。
そもそも面倒臭がりの銀時がなのはの見つけてくる面倒臭い仕事を有り難がる事はあんまりないのだから。
「しゃぁねぇ。あいつの将来の為に此処は一つ、無い袖を振ってみるとすっかぁ」
「振る袖もない癖に良く言うよ。ま、寺子屋代も含めて月にこれだけは払って貰うからね」
そう言うと、お登勢は懐から一枚の紙切れと筆を取り出し、サラサラと書き記した内容を銀時に手渡した。それを受けた銀時が内容を見た後、冷や汗を流す。
「こりゃぁ、ちと厳しい事になりそうだなぁ」
「今更撤回は聞かないよ。それでも結構安くしたつもりなんだからねぇ」
簡単に言うと、今まで本来払う家賃を50パーセントカットして貰っていたのがなくなり、本来の額に跳ね上がった。
と言う感じである。
***
「と、言う訳なんで、明日からお前
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