第64話 少年達は戻って来るようです
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機
・・・と言うほども無い事に、寝ていようが駆けつけて来る、と。そう言うことだった。
「本当に眠ってるとね?家の中の事ですら、私でも気付けないのよ。それなのに、ね………。」
「今は、その…………ちゃんと、寝てるんですか?」
「………ここはね、外との時間差を五千倍にしてあるの。」
ノワールさんは僕の質問を無視して、さっきと同じように言う。
五千倍って言うと・・・外の一時間がここで半年以上って事?なんでそんな事を――――
「ここで眠ってる八時間……でなくとも、四時間くらいでも。あっちでたった六秒くらい、
ちゃんと眠ってて欲しいわ。」
「……………そう、ですね。」
ふと、寝ている愁磨さんを見る。普段は何かとやり過ぎ――もといはっちゃけ――いや、元気なこの人。
今はとても静かで、儚げですらある。目を離した瞬間に、消えてしまいそうなほど。
「(この人が人類滅亡とか、考える訳ないよね……。)って、あれ?」
「もう、また………しょうがないんだから。」
自分の馬鹿な考えが嫌になって、溜息をつく。
その一瞬目を離すと、布団の上の愁磨さんは奇しくも思った通りに居なくなっていた。
・・・また、と言う事は、さっきも抜けだしたんだろう。
「……仕方ない人ですね。」
「ええ、全く。……………ねぇ、ネギ。」
「はっ、え、ひゃい!?」
「男の子が情けない声出さないの。」
・・・・ノワールさんに名前を呼ばれた事なんて無かったから、変な声を出してしまった。
い、一体なんだろう?
「シュウはね、凄く大きい事をしようとしてるの。果てしない、と言うかお馬鹿なくらいの。」
「え、は、はい。」
「そのせいでね。友達とか仲間とか呼べる人にも、嘘ついたり隠し事しなくちゃいけなくなってるの。
嫌いになられそうでも、どうしようもなくて、もう止まれないの。」
「……はい。」
「だからね。あなただけはあの人を見失わないで欲しいの。味方になるとしても、敵になるとしても。
フフフ、勝手なことばっかりごめんなさいね。」
『あげるわ』と言って、ダイオラマ球を投げて渡される。
愁磨さんほどではないけれど、瞬きの内にノワールさんも居なくなってしまう。
僕はそんな事は出来ないので、魔法陣に向かう。
・・・ノワールさんに言われた事は、学園祭での事だと思った。だから、是が非でも止めようと心に誓った。
――――その真実は、数週間後に知る事になるのだった。
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