暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
マザーズロザリオ編
episode3 黒き装束の冒険者
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持っていなかったはずだが、恐らく勘だけで下に隠れた三人を見破って見せた。それは《索敵》だの《探索生物》だのではない、彼女のプレイヤーとしての……いや、長年の『剣士』としての力か。

 (……ま、俺に気付かないようじゃ、《索敵》の腕はまだまだだがな……)

 隠れ身を水属性のサーチャーで破って三人をあぶり出し、剣を突き付ける。やっちまえ、と思ったがさすがはアスナ、論理的というか理性的というかの判断で剣を下ろした。三人の言葉には矛盾が無く、嘘かもしれないとは思っても証拠が無いため、切り捨てるには理由が無い、とか思っているのだろう。

 (……妙なところで甘いんだよな、アスナは……)

 何度目だろうの、溜め息。

 アスナ達は、突入にむけての準備中の様でシウネーさんが次々と支援呪文を駆けていく。そして言うまでも無く、その隙にスパイ三人組の放った《盗み見》呪文が紛れ込ませられる。俺の必死の祈りも虚しく誰もそれには気付かなかったようで、そのままボス部屋へと入って行ってしまった。

 やれやれ。

 このザマでは、出番になりそうだな。
 実にSAO以来となる、《カタストロフ》の、活躍の場と。


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