暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
マザーズロザリオ編
episode1 『魂』の再会
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他のVRMMOで会ってきりだったから、懐かしくてさ。……いや、ホントにすみません。すごく仲良かったんで、思わず話しかけてしまって」

 最後の謝りは、横の目元に憂いを湛えた水色の女性……シウネーにだ。
 彼女も困ったように額に手を当てて、

 「いえ。そういった事情があれば。でも、正直突然街のど真ん中で初対面の女性に声をかけるなんて、『そういう意味』に取られても仕方ないというのはご存じですよね?」
 「……全く以てその通りです。非マナー行為で、スミマセン」

 とりあえず形式的な非難に、俺の方は形式では無い本気の謝罪を告げ、頭を下げる。

 「シウネーは固いんだよー。ボクだって子供じゃないんだし、大丈夫だよー」
 「子供そのものじゃないの。ユウキは無警戒過ぎるのよ」

 だが、当事者のユウキはあまり気にしていないようで、シウネーを軽くからかうように口を窄める。その仕草はまさに子供そのもので、それをみて苦笑するシウネーの気持ちも分かるような気もする。そのころころと変わる表情が、心地いい。

 と。

 「そうだ! せっかくだからさ、この人にしない?」
 「ちょっと、ユウキ!?」
 「いい機会じゃん、聞いてみようよ! ねえねえ、えーっと、シドはさ、ALO歴長いの?」
 「あ、ああ。そこそこには」

 ユウキが、ぱっと表情を変えて、俺に訪ねてきた。

 その表情にシウネーが露骨に驚いた表情をしたのを見るに……いや、彼女の表情を見るまでも無く、『彼女』が俺に頼みごとをする時とそっくりの空気を纏ったその顔から容易に予想できる。どうやら何か……厄介なことに巻き込まれるのかもしれない。

 だが。

 「あのさ、ちょっと今、困っててさ。頼み事があるんだ」
 「いいぜ。力になるよ」

 俺は、二つ返事でその申し出を受けた。

 理由は簡単。
 俺はかつてのあの世界で、『彼女』に振り回されるのが、割と好きだったからだった。


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