双牛の乱舞
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俺だって人間であるし、苦難を受けつづけて喜ぶ様なマゾヒストではない
故に今までの防戦で溜まったストレスを今からの攻戦に篭めよう
システム外スキル、スキルコネクトを用いた多重スキル攻撃
防御を考えず、金色のミノタウルスに対して有効な魔法ダメージの配分が多く、のけ反り効果の高いソードスキルを俺の持つ多数のオリジナルソードスキルから選択し、組み合わせ、繋げていく
金色のミノタウルスは起き上がることもできず、地面をのたうちまわるだけになってしまっている
やがて、黒色のミノタウルスが砕ける音が聞こえ、それから十数秒後、後を追うように金色のミノタウルスは砕け散った
「ふぅ……」
スキルコネクト時に集中していた意識を弛緩させ、一つ息を吐いた
そして、黒色のミノタウルスが居たであろう場所でこちらを凝視する面々を目にして苦笑する
「リン……ハメ技は酷いと思うんだけど……」
「あははは……」
「にぃは凄いです!」
後衛のアスナとシノン。アスナの肩にいたユイが寄ってきて、アスナとシノンは苦笑い。ユイは純粋な瞳をキラキラと輝かせて飛び掛かってきた
飛び掛かってきたユイを手の平で受け止めて、肩に乗せてから頭を撫でる
「なんか、リン君が段々理不尽な存在になって来てる気がするんだけど……」
「俺は小技の引き出しが多いだけの脇役だ。今までもそうだし、これからもそうであるつもりだな」
俺のその言葉を聞いてアスナとシノンは苦い顔をした
「自分を過大評価するのはダメだけど、過小評価するのもダメだと思うよ? リン君はもっと自分を誇っていいと思う」
「私もそう思う。実際にリンは私のことを救ってくれた。リンは脇役なんかじゃない」
真剣なアスナとシノンの顔を見て苦笑いを浮かべる
俺はそんなに大物ではないはずなんだが……
「わかった。もう一度自分の評価を考え直してみようと思う」
「……わかってない気がする……」
俺の目を凝視してくる二人
なんだかいたたまれなくなったため話題を強引に変えることにする
「クエストの時間も圧しているし、早く行かないといけないんじゃないか?」
「……わかった。じゃあ、今夜、時間を作ってね。その時にゆっくり話し合お?」
どうやら逃げ切れないようだ
……初めて舌戦で負けた気がする
女性とはこんなにも怖い生き物だと初めて知ったんだが……
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