暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
双牛の乱舞
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最近、ガラにもない主人公をやってきた所為かなんだか新鮮に感じるが、やはりこの立ち位置が一番俺には合っている

ステップでバトルアックスをかわしながら剣をクルクルと回して肩に担いだ

「……ちょっとだけ付き合ってもらうぞ」

後ろ向きへ、バックステップでかわしていたバトルアックスによる斬撃を反転して懐に潜り込むことで回避する

先程のサイクロプスと同じく、武器を使う巨大な人型モンスターには懐に死角が存在するのだ
もちろん、潜り込むだけで終わりではない
物理耐性が高いのならば魔法ダメージを与えればいいだけ。つまりソードスキルを使えばよい

片手剣二連撃バーチカル・アーク
物理八割、光二割

雀の涙ほどしかダメージが入らないものの、これ以上スキル後の硬直時間が長いモノを使うと間違いなく叩き潰される
俺の役割は時間稼ぎであって倒すことではない

直後に来た平手打ちをバックステップでかわし、さらに斜め上から来たバトルアックスを剣で受け流す

続いてきた足によるスタンプは後ろへバック転して回避
そのスタンプを載せての左袈裟斬りはバトルアックスの側面に剣を当て、その反動と跳躍でバトルアックスの起動上から待避する

「リン!」

「大丈夫だ。シノンは黒い方を優先してくれ」

今までの攻防で俺のHPの一割が消えている
心配そうな声を上げたシノンに返事を返すと、金色のミノタウルスの斬撃を逸らす

──最初の頃より動きが良くなってるか?──

恐らくは黒いミノタウルスのHPが減っているからだと思うが

考えながら金色のミノタウルスの攻撃をかわし、逸らし、いなす

段々と良くなっていくミノタウルスに顔をしかめながら直撃を回避していく

その時、金色のミノタウルスはいきなり動きを止めると踵を返し、黒色のミノタウルスの方へ走り出した

「させるか」

一瞬呆気にとられ、硬直してしまったがすぐに立て直し、走り出した金色のミノタウルスの足を鋼糸で掬い取る
するとミノタウルスは盛大な叫び声をあげて転倒。地面に転がった

あちらに目を見遣ると黒色のミノタウルスのHPがレッドゾーンに突入しており、金色のミノタウルスがそちらに向かおうとしたのはそれが理由だろう

憎悪値(ヘイト)を無視して向かって行こうとしたことから察するに行動の優先順位がヘイトよりもより上位に設定されていることがわかる

つまり、防御などあまり考える必要は無く全力で攻撃をしてもよいというわけである

戦闘スタイルからもわかると思うが、俺の精神力は強靭だ
少しタイミングがズレても、少し剣を振るうタイミングがズレてもアウトな戦い方を続けようとも、それに堪えうるくらいはある
しかし、それでストレスが溜まらないかと言えばそうでもない
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