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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第136話】
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別に擁護した訳じゃない。……美冬、大人しくしてろって」
「……わかった」
むすっと膨れる美冬を隠す様に、俺は座り直す。
……ISってのは確か、長く付き合えば付き合うほどコアがわかろうとするって確か最初の授業で言ってた筈だ。
――機体が良くても、それが絶対の差になるはずがない……。
そう思っていると、突如声が心に響いてくる――。
――そうだね、私もそう思うよ……ヒルト…――。
「……?」
また女の子の声が聞こえた――一体誰なんだ?
――心で聞き返すが、誰も返事はなく、俺は頭を傾げた。
「……全く、変な日本人が多すぎだね〜。――話は戻して、紅椿の展開装甲はより発達したタイプだから、攻撃・防御・機動と用途に応じて切り替えが可能。これぞ第四世代型の目標である【即時万能対応機(リアルタイム・マルチロール・アクトレス)】ってやつだね。にゃはは、私が早くも作っちゃったよ。ぶいぶぃ」
そんな言葉も虚しく響く風花の間。
……まあ俺にはわりとどうでもいいので話半分しか聞いてないが――それよりも、さっきの声の方が気になるし。
「はにゃ?あれ?何で皆お通夜みたいな顔してるの?誰か死んだ?変なの」
……まあ各国代表候補生からすれば【無意味】だったということだろう。
多額の資金を出し、膨大な時間をかけ、その国の優秀な人材をつぎ込んで競っている第三世代型の開発が、この第四世代型によって全て無意味――。
だが本当に無意味なのだろうか?
俺自身、技術というのはある程度人々の暮らしを豊かにするものだと思う。
――まあ、地球を汚染しないとは言えないが。
何にしても、絶対に【無意味】という事はない筈だ。
今は無理でも何か――AIC等は、上手く技術を応用すれば未曾有の災害を防ぐ事だって出来るかもしれない。
空間圧作用兵器だって、そこから新しいエネルギーが見つかるかもしれない。
BT兵器だって、改良すれば届かない箇所に消火剤を撒いて火事を防ぐ事が出来るかもしれない…。
――全部が可能性の段階だし、多分こんな使い方を考えてる開発者はほとんど居ないだろう。
俺は――俺には全て無意味だとは思わないということだ、開発された技術は。
「――束、言った筈だぞ。やり過ぎるな、と」
「そうだっけ?えへへ、ついつい熱中しちゃったんだよ〜」
そう織斑先生が、篠ノ之博士に告げると黙っていた理由が理解したのか――。
「あ、でもほら、紅椿はまだ完全体じゃないし、そんな顔しないでよ、いっくん。いっくんが暗いと束さんはイタズラしたくなっちゃうよん」
そう一夏に対してウインクし、笑顔になる篠ノ之博士。
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