第三幕その十四
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」
こうは言っても顔は微笑んでいた。
「私はそんな」
「いやいや、その服も靴も」
普段のとは違っていた。輝くばかりの白衣であり金や銀の装飾や模様がその服のあちこちにある。そして靴もザックスが特別に作った白い可愛らしい靴である。
「見事なものだよ」
「そうなの。そんなに」
「うん。あらためておはよう」
この言葉は忘れてはいなかった。
「そんなに奇麗だと若い者も年寄りも皆目を奪われてしまうよ」
「それはいいけれど」
しかしそれを聞いてもエヴァの顔は今一つ明るくはなかった。
「けれど靴が当たって痛みを感じるのは誰もわかってはくれないわ」
「しまった、それは私の失態だ」
エヴァの今の言葉を聞いて慌てて言うザックスだった。
「その靴は。これはすまない」
「立っていると歩きたくなるけれど歩くと立ち止まりたくなるの」
「どういうことだい、それは」
それを聞いてもわからないふりをしながらまた言うザックスだった。
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