星屑の覚醒
5 紺碧の闇
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きた。まず、君がハッカーになった理由だ。ネット上では悪を担いながらも善を成す。そのわけを』
ダークネスはその場に仰向けで倒れた彩斗に近寄り、彩斗という人間を詳しく知ることから始めた。
彩斗は呼吸を正しながら、思考を回し、口を開く。
「...これは初めて僕が街に不信感を持った原因でもある。子供なら誰でも1回くらいはやったことがあるはずだ。インターネットブラウザを開いて、検索エンジンで自分の名前を検索する。大概は姓名判断サイトが出てくるだけだ。でも僕は違った」
『大量の自分を攻撃する掲示板やサイトが飛び出した。それによって自分が学校という1つの独立した空間で受けていた扱いに気づいた』
「...そう、みんなのストレスの捌け口だ。誰か溜まった鬱憤をまるでサンドバッグのように受ける人間。人権なんて無い。僕の顔も見たこともないような人間もいたはずだ。だが会ったこともない僕を面白半分に攻めることで、楽しんでいた連中が信じられないくらいにいた」
『それによって君はこの街の人間の悪性に気づいた。誰かを傷つけ続けなければ生きられないような...もはや人の営みとは言うまい』
「でも...僕だけで十分だとも思った...他にも僕のような人間はいっぱいいた。僕のような人間はもういらない。その一心でそんな掲示板やサイトを潰し続け、気づけば、汚職や多くの社会悪の証拠をネット上に晒すようになっていった」
『我々が君を呼んだのも1つの理由だ。経緯はともかく、君は正しいことを法に背いてもでも行う勇気を持っている。それは決して法に裁かれるべきではない」
ダークネスはこの後も幾つかの質問をした。
「恐怖を抱いた理由」、「ディーラーを裏切らない理由」、「メリーとの関係」など多岐にわたる。
そして全て聞き終わると、ダークネスはその青みの混じった漆黒の翼を広げ、宣言した。
『今から君に催眠をかける。君は自分の精神と向き合い、その怒りで今話した恐怖を抱いた時の記憶を封じ込めろ。『フラッシュバック・パルス』...』
彩斗はその翼から放たれた超音波で一気に精神の底へと落下した。
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