第三十九話 次なる課題
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。ルビンスキーが帝国に敵対し辛くするのだ。上手く行けばフェザーン内に反ルビンスキー、親帝国勢力を作ることが出来るかもしれない。そのためには今以上にフェザーン商人が活動しやすい経済環境、社会環境を作る必要が有る。すなわち、改革の継続だ。
「まあ決算報告書、資産目録の提出は今年度分からですが開示は来年度分からになります。流石にすっぴんでは出辛いでしょう、多少は化粧をして外に出られるようにしないと……」
俺の言葉に皆が笑った。貴族達の多くが資産状況の改善、領地経営の改善に取り組んでいる。今まで遊んできた罰だ、少しは汗をかくと良いさ。
決算報告書、資産目録の提出は作成に手間がかかるが貴族にとってもメリットは有る。自分の領地がどうなっているか、資産状況がどうなっているかが分かるんだからな。実際ブラウンシュバイク公爵家がそうだ。養子の俺だけじゃない、大公も大公夫人もなるほどと言って唸っている。
二人とも大まかには押さえていても詳細には把握していなかったのだ。ブラウンシュバイク公爵家の資産目録は作成途上だがその内容は結構凄い。カストロプ公爵家のそれを遥かに凌いでいる。帝国きっての実力者って評価が良く分かったよ……。
決算報告書、資産目録が開示されればフェザーン商人達は貴族達を選別するだろう。おそらくフェザーンの格付け会社は貴族の格付けを行うはずだ。つまり領地経営、資産状況が悪い貴族は自然と淘汰されることになる。それを避けたければ領内開発と資産状況の改善に励むしかない。
問題は辺境の貴族達だ、こいつらの資産状況、領地経営の状態は決して良くないはずだ。このままでは益々不利益を被る事になる。それを防ぐためには開発の援助を行うべきだな。幸い馬鹿な貴族達が毎年借金を政府に返してくれる。最低でも今後四十年間、毎年五十億帝国マルク程は返済されるはずだ。そいつを使って辺境を開発する、財源が確保されているのだ、フェザーン商人達も辺境は将来的には有望な市場になると認識するだろう。積極的に取引をしようとするはずだ。
貴族達の放埓の抑制は思ったより順調に進んでいる、そう考えていいだろう。問題は平民達の権利の拡大、社会的地位の向上だな。カストロプの状況を確認する必要が有るな、一度行ってみるか。リヒターやブラッケ達も関心を持たれているとなれば励みにもなるだろう……。その後は俺も領内統治に視線を向けないといかんだろう。忙しいな、全く忙しい。軍と政府とブラウンシュバイク公爵家か……。身体が幾つ有っても足りん……。
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