第三十九話 次なる課題
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ます。直接ぶつかり合う事が無くなっただけに相手を無視する様子が見えるのです」
ラインハルトが発言すると他の三人が頷いた。
「やはりそうなりますか」
「はい。好き嫌いは別として最低限の信頼関係は必要だと思います。しかし現状ではそれが見えません。本来なら互いに意思の疎通を図るべく努力するべきなのですが……」
ラインハルトが言葉を濁した。
「そのような努力は見えない、そうですね?」
「はい、方面軍司令部が出来た事でむしろその努力を放棄しているようにも見えます」
ラインハルトの言葉に他の三人が頷いた。元々無きに等しいものが完全に無くなったわけだ。最悪だな。
「グライフス方面軍司令官は何と?」
「何とか両者を取り持とうとしているのですが……」
ラインハルトが沈痛な表情を浮かべて首を振った。妙だな、普通なら冷笑でも浮かべそうなんだが……。グライフスと親しくなったのかな。
「こちらにはそのような状況報告は来ていませんが?」
「上級司令部の責任者としては下級司令部の横の連携が無いとはなかなか言い辛いと思います。本来ならグライフス方面軍司令官の責任で解決する事ですから……」
「なるほど」
そうだろうな、部下が仲が悪いんです、何とかしてください、とは言い辛いよな。
「今回の攻防戦、反乱軍が交戦せずに退いてくれたのは幸いでした。もし戦闘状態に突入していれば……」
「していれば?」
ラインハルトが口籠った。方面軍司令部は俺の発案だ。実戦に問題ありとなれば暗に俺を非難する事になりかねない。ラインハルトも面と向かっては言い辛いのだろうな。
「遠慮はいりません、していれば?」
「要塞司令部と駐留艦隊司令部が相手の事等考えずに行動していたかもしれません。責任は全て方面軍司令部に押し被せてです」
言い終わってふっと息を吐いた。
「或いはそれを防ごうとして方面軍司令部に非常な負担をかける事になった。それが原因で重大な損害を被る可能性が有った、という事ですか……」
「はい」
やはりな、一朝一夕では解決できないか……。
駐留艦隊司令部、要塞司令部の人員を一新するしかないな。グライフスには最大限の協力をすると約束している、それを実行するべきだ。最前線で仲間割れを起こす様な馬鹿は要らん。全員更迭したうえで明らかに左遷と分かるポストに送る……。
最前線に配属された以上、周囲からはエリートと見られていた男達の筈だ。それを左遷した上で協力しなかったことが左遷の理由だという噂を流させよう。新たな司令部要員にとっては十分な警告になるはずだ。ラインハルトから報告書が出たらエーレンベルク、シュタインホフに相談してみよう。二人とも反対はしないはずだ。
「やはりミューゼル提督にイゼルローン要塞に行って貰って良かったと思います。お
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