一章 希望と絶望のセレモニーE
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ブーーー!!
しばらくして、今から映画でも始まるのかという雰囲気のブザー音がこの暗くざわめきに満ちた空間に鳴り響く。
どうやらもうすぐ始まるようだ。
これを聞いた各生徒達は点々と私語を辞め、徐々にメインホールはゆっくりと静まり返っていった。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
ホールの上部四方から四筋のスポットライトの線が中央ステージに一斉に当てられた。と同時にある人物の姿が照らし出される。
各モニターにもその人物が映し出されており、よく整えられた白髪頭に品の良さそうなスーツ姿、手には白い手袋をしている英国紳士のような初老の男性、しかしながらその表情は非常に堅い印象。
彼のことは学園生徒なら誰もが知っている。
この如月学園のNo.2にして政府から派遣されている人物の一人、副学園長の法院久ノ助(ホウインヒサノスケ)だ。
こういった大きな集会では彼が決まって司会を担当している。
「部活動関係者の諸君、ご機嫌様。これより全部活動対象の特別集会を開始する」
低く貫禄のある声が、彼の手にしているマイクにより館内に響き渡る。
ここまでくると流石に学生間の私語は全て消えていた。
「本日は学園長が多忙の為、私が代理として進行させてもらう。此度の件は諸君にとっては実に大事なことなので聞き漏らしのないように」
彼の話し方はその表情と比例しているように非常に堅苦しく聞いてるものに自然と切迫感を与える。
「京ちゃんそろそろ起きないと怒るよ?」
『…あぁ?なんだ?もう始まったのか?』
この広い空間の点のような一カ所にいる二人の男女、この段階になようやく京介は目を覚ました。
大きく伸びをし眠そうに目をこする。
それを見た小春もやれやれと一安心したようにホッと胸を撫で下ろす。
「今どういう状態だ?」
ホントに何も聞いていなかったようで、今更ながらな質問をしてくる。
「今から本題に入るみたいよ?」
『あ、そう・・・てかあれ副学園長じゃん!あの人の話し方あんま好きじゃないんだよなぁ〜』
「こら!黙ってて!」
些細な会話を経た二人は再び中央に視線を戻す。
「今回日本政府からある要望が我々の元に届いた」
他の学校では考えられないような話の切り出し方だ。
「君達は勉学はもちろん部活動においても大変優秀な成績を収めており、我々教職者の立場としては非常に喜ばしく思う。そしてこのことを高く評価した政府は、この度これまでの選考内容に新しく部活動の項目も加えることを決定した。よって取り急ぎ有望な部活動を決めて欲
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