キャリバー編
百二十八話 霜の巨人の王
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!」
「よっしゃぁ!!」
「何と……!!」
初めてスリュムの上げた悲鳴らしい悲鳴に、前線チームはガッツポーズ。レコンも、疲れたのかへたり込むが内心ガッツポーズだ。
ちなみに、今ので174ワード。これが現在のレコンに出来る限界の威力だった。
「…………」
リーファはそんなレコンを一瞬眺めて……少しだけ微笑んでから、再びスリュムへと向き直った。
スリュムは左ひざを付き、王冠の上には星が舞っている。
気絶状態だ。
「此処……だっ!!!」
キリトの言葉で、全員が一斉に最大級のソードスキルを放った。空中からは炎の矢が降り注ぎ、スリュムを押し包む。と其処に……
「っ!!キリト君!サチが……!」
「!?全員!離れろ!!」
「っと!」
「え!?え!?」
突然のキリトからの声ながら、全員反応は速かった。行っているスキルが終わるや否や、即座に離れる。と、そんな中で、もたもたしている獣使いの首根っこを……
「早く来いシリカ!!」
「むぎゅっ!!?」
「きゅるっ!」
リョウがひっつかんで全力でバックステップ。同じような事が有ったのを思い出しつつ、着地する。
「……お願いします」
そして直後、サチの言葉と共に、それは発動した。
始めに、天井からスリュムの下に光が振る。
照らされた彼の上に、突如、光の人型が現れた。
それは男性のようにも見えるが……同時に女性のようにも見えるシルエットだった。
降臨するように現出したそれは、直後にスリュムに向けて手をかざし……スリュムを、小さな光の球へと変えた。
「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」
キリトやリョウ、アスナを除く全員が驚愕に目を見開き、その光景を見つめる。
本当に一瞬。瞬き一つ分の間に、スリュムの体はごく小さな光の球体へと代わり、光の巨人の下へと向かっていく……やがて巨人の下へたどり着いたそれを、ゆっくりと巨人は手にとって……それを、包み込むように小さく、小さく圧縮して……握りつぶした。
「…………」
余りにも現実離れした光景に何も言えず、目を見開く一同の前で……ひと際強く輝きが視界を覆い……
目を開いた時には、既にトール意外に巨人はいなかった
伝説級魔法(レジェンダリィ・スペル) 《アメノミナカヌシノカミ》
「…………はふぅ……」
静かになった広間の中で、548ワードを唱え上げた少女が、小さく息を吐いてへたり込む。
そんな背中を……
「よっ、お疲れさん」
「あ……うんっ」
リョウが軽く叩き、二人が微笑みあう。
それが、決着。
あれだけの騒がしい戦いが終わったにしては余りにも静かな、決着だった。
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