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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三二幕 「空気の読める国から」
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に煽られて心を開けないベルーナは、無理強いせずに傍にいてくれる佐藤さんの方を求めている。アプローチの方法を変えるといいという遠回しなアドバイスだ。後は疑問に思った一夏が自分でそれに思い至るなり他の人に聞いて理解するなりすれば状況にも進展が・・・

「ま、いいや。分からないこと考えても仕方ないし・・・そんなことよりもユウ、今日こそ模擬戦やろうぜ?」
「・・・・・・・・・・・・貴様には失望した」
「何で!?」

今確信した。こいつは人の心が分かっていない。どっかのブリテンアホ毛を追い抜くほどに。
今日の模擬戦ではケツにバンカーをブチ込んでやろうか、と真剣に検討するユウであった。







その日はクラス全体が妙に浮き足立っていた。転入生の存在もあってではあるが、主な理由は別にある。
それが1,2組合同の本格的な実技訓練である。

今までも何度かIS実技に関する授業はあったが、この日の授業はいつものそれから更にワンランク上の内容になる。今までの授業は主にISに関する基本機能や体作りなどを主とし、専用機保持者の動きを手本に様々な説明を行ってきた。有り体に言うと、生徒たちはISを見るだけであまり操縦させてもらえなかったのである。

そんな授業を態々実技の時間を取ってまで行う必要があるのかと思うかもしれないが、これがISに騎乗する上では意外と重要な前準備だ。何せISの基本機能の使い方をきっちり目で見せなければ、いざ乗った時に生徒がパニックを起こしたりして大変だからである。学園の生徒達は、知識だけでISがどんなものかをしっかり体感していないものが殆どを占める。そんな生徒が一々妙なミスをやらかしたり勝手に飛んだり、動き方やISの降り方が分からず混乱したりするのを少しでも減らすための長い長い準備は、むしろこれでも不十分なくらいである。

「・・・という訳で承章。貴様はくれぐれも訓練機に乗るなよ?というか学園にいる間はもう2度と訓練機に乗るな・・・!」
「いや織斑先生、今までの文脈と話が繋がってねぇですよ?」
「貴様に許された答えは『はい』と『Yes』だけだ。いいか、私は“あの時”の二の舞は御免だ・・・あの日私達がどれだけ後始末に追われたか知らんとは言わせんぞ・・・!!」
「無論分かってますって・・・俺もあの時と同じ思いは出来れば二度と御免被りたいですからね」

授業前に突然呼び出されたジョウを待っていたのは千冬の脅迫染みた“お願い”だった。
2人が話しているのは少し前に起きた“訓練機三次移行事件”の事である。
本来形態移行するはずのない訓練機が、承章の乗ったISだけ何故か形態移行――しかも一次二次を飛び抜かして三次――を起こし、その後始末に二人が(IS学園の職員数名と共に)てんやわんやしたという事件だった。

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