暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三二幕 「空気の読める国から」
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ございます。山田先生は優しいですね・・・母とお呼びしても?」
「え、そ、それはさすがに・・・」
(というか佐藤さんが“転生者”の所にびくっと反応したように見えたが気のせいだろうか?)

・・・まぁ、衝撃的な事故紹介だったと言っておこう。







当然そんな愉快な転入生が現れれば生徒たちは湧くわけで、休憩時間にもなるとラウラの周囲には多くの人が集まっていた。自己紹介の時こそ沈黙は起きたが、内容が内容なだけに逆に話しかけるハードルは下がったようだ。今もひっきりなしにクラスメートたちに質問を受けている。一つ一つにボケを交えつつ冷静に答えていく様はなかなか見ていて飽きない。

「スゲェ人気だな、あの子。おかげでこっちは束の間の休息だけどな」
「人気者はつらいってか?」
「お前が言うなよ」
「お前も言うなよ」

入学から随分立ったが未だに休憩時間になるたび一夏とユウの近くには女子達が集まることが多かったため、ラウラに視線が集中している今だけ二人はのんびり駄弁っていた。普通にしゃべるくらい、とは思うかもしれないが、他人にずっと話を聞かれるというのは意外とストレスが溜まるのだ。教室内でこれだけリラックスするのはかなり貴重な時間である。
話は自然にこの前の休暇の内容に移っていく。

「この前弾の家に行ってさー。弾も蘭もお前とジョウさんに会いたがってたぜ?」
「あの日僕らはお墓参りだったからねぇ・・・次の休みには行けると良いなとは思うよ」
「次に会うまでにはベルーナと打ち解けたいなぁ・・・」
「一夏は最近そればっかりだね?」
「うるへー。なるって言ったら絶対友達になるんだ!」

意固地になる一夏にユウは苦笑する。恐らく今のやり方のままではベルーナ君を振り向かせるのは難しいだろう。だがそれはベルーナが一夏と本音を嫌っているのではなく、二人の「仲良くなる方法」がベルーナに当てはまらないだけだとユウは推測している。一度思い込むと抜け出せない性質の困った親友のために、ユウは少しだけヒントを出すことにした。

「一夏、イソップ寓話の『北風と太陽』って知ってるよね?」
「あ、ああ。あれだろ?旅人の上着を脱がせた方が勝ちっていうやつだろ?」
「うん、それ」
「・・・それがどうかしたのか?」
「ヒントはここまで。そこからは自分で考えないと意味がないよ」
「???」

ユウが何を言わんとしているかが全く分からない一夏はひたすらに首をかしげている。・・・こいつひょっとして人間関係全般に鈍いんじゃないだろうか。

ユウが言いたかったのは今の状況をその童話に当てはめたらどうなるかという事である。
旅人はベルーナ、北風がベルとも会、そして太陽が佐藤さんと考えるとぴったり状況が当てはまるのだ。押しが強すぎるベルとも会
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