暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
常盤台中学襲撃事件
Trick40_正真正銘の傑作だ
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た事が無い。

(もしかして体が限界!? でも!!)

体が悲鳴をあげようが、佐天は止まるわけにはいかなかった。

自分の体が痛いぐらいで、これ以上の遅れは出せない、出したくない。

苦痛を我慢して無我夢中で走り続ける佐天。


その瞬間 彼女は“人”の動きすら超え始めた。





『これは・・・・』

いち早く気付いたのは、カメラ越しに佐天を見ている位置外だった。

佐天が急に苦痛に顔をゆがませた。体を故障したのだろうか、と考えた。

体が故障すれば走れなくなり、ホイールを届けられなくなる。

最短時間で届けられなくなった今、優先すべきはホイールを“確実”に届けること。
そのためであれば、更に1分程度の遅れも問題ない。

位置外はペースを落とすよう佐天に指示を出そうとした。


だが苦痛の後、佐天の動きがおかしかった。

痛ければペースが落ちる。たとえ痛みを我慢できてもペースは上がるわけではない。ペースは保たれるだけだ

しかし、佐天の走行スピードが異常に上がった。

特に壁走り(ウォールライド)と曲がり角の曲がり(ターン)は今までの比ではない速度。

先程の調子が良かった時よりもキレがある動き。

依然として激しい苦痛の表情のまま佐天は走り続けている。

そして遂には止まると計算していた信号を、青点滅の時に通り抜けた。

1つの信号に止まったせいで連鎖して別の信号に止まり、5分の遅れが
出ると位置外は計算していた。

逆にいえば1つの信号を通り抜けることができば、信号を待っている時間以上に
短縮ができる。

位置外は急いでキーボードを打つ速度を上げた。

佐天の速度はすでに通常の2倍以上。
このまま走れば最初の予定時間から1分19秒の遅れで到着できる。

佐天がミスしてから5分42秒が遅れると出た結果から大幅に更新した。

平民(さてん)、体に異常はないか?』

「・・全身の関 節が・・急に痛くなった   けど・・大丈 夫。
 まだ遅い から・・ペースを落  とせない!!」

苦しそうに答える。自分のペースが格段に上がっていることに気付いていない。

ならば位置外がやることは一つ。佐天の上がった実力で行けるルートを構築し直す。

特に曲がり(ターン)が上がっているのであれば、連続で直角に曲がる
裏路地の近道も速度を落とさず、トップスピードで使うことができる。

平民(さてん)、100メートル先の小道を左に曲がれ』

「あれ? 真っ直ぐのはずじゃ・・ダメダメ!! つーちゃんは絶対!!」

数秒前の指示との違いに疑問を持ったが、指示無視をした自分のミスを思い出して
すぐさま疑問を振り払って角を曲がる。

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