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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第3話 「余の顔を見忘れたかっ」
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「いえ、生来のものであります」
「なるほど」

 なぜここに来たのかは知らんが、こいつをどうしようか……。
 そうだ、こいつにあれをさせよう。劣悪遺伝子排除法の廃法を考えさせよう。こいつなら、考え付くんじゃねえか?
 まあとりあえず、お前のMSはギャンな。ついでに壷も用意してやろう。

「いかがなされましたか?」
「劣悪遺伝子排除法」

 ぼそっと口にすると、オーベルシュタインの体がほんの僅か、強張った。

「ルドルフ大帝の御世であれば、生まれたときに殺されていても不思議ではない。それだけに内心、鬱屈したものがあるだろう」
「いえ、そのような事はございません」

 しらっとした顔で言いやがる。この狐め。

「そうか、俺でさえあるというのに、卿にはないと申すか?」
「はい」
「あの法は廃法にしたいと、俺は本気で思っている。だが、俺としても理由なくして、廃法にはできん。大帝が作った法だからな。しかし理由、大儀があれば、廃法にできる」

 無言で俺を見つめているな。男に見つめられても嬉しくない。綺麗なおねえちゃんがいいなー。

「理由を考えて来い。卿なら、身に沁みているだろう。いい案ができたら俺のところにもってこい。いいな」
「はっ、命に従います」

 ■MS開発局 パウル・フォン・オーベルシュタイン■

 本気、だろうか?
 しかし、もし仮に、本気だとすると……この私の手で、劣悪遺伝子排除法を廃法にできる。
 この私の手で……。
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