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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第3話 「余の顔を見忘れたかっ」
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 第3話 「祝、原作組登場」

 いえーいーどんどんぱふぱふー。
 やってきました。このときが。とうとうきましたこの時が。
 そう、わたしは三年待ったのだー。
 原作組の登場です。
 私の目の前には、未来の双璧こと。
 ウォルフガング・ミッターマイヤー君とオスカー・フォン・ロイエンタール君がいます。
 皆様、盛大な拍手でお迎え下さい。

 いや〜別に、原作とは関係ないところで出会ったんだけどね。
 徳田新之助を気取って、護衛の女性を一人つけて、オーディンの街中を歩いてたら、うちの護衛がどこぞの兵士に絡まれちゃったんだよ。

「おう、うちのもんに何してくれてんだ」

 と凄んでたら、二人がやってきて助けてくれたってわけ。
 しかもどこの所属かは知らないが、相手はカストロフの家臣だ。目をつけられると厄介な事になるから気をつけろ。と忠告もされてしまった。
 名乗ってやろうかしら?
 いやいやここで名乗ってはおもしろくない。
 また今度の楽しみにしておいてやろう。
 それにしても二人ともいい奴らだ。気に入ったぞ。目を掛けてやろう。帰ったら軍務省に連絡しておこう。君のところにはいい青年がいるねって感じ?
 こういうのも結構、好きなんだよなー。

 とーこーろーでー。いままで気づかなかったが、一つとんでもなく厄介な事が分かった。
 あちし、銀河帝国皇太子なのね。それでね、下手にあの女の子かわいいね、などと口にするとだ。
 問答無用で連れてきちゃうんだよ。役人どもが!!
 親父のところに愛妾が多いはずだよ。ありゃ半分以上、九割がた役人連中が押し付けてきたもんだったらしい。しかもだ、断るとその子ら殺されちゃうかもしれないんだよ。
 そこに自分の意志はない。
 恐ろしいだろー。帝国の闇ってやつだ。
 グリンメルスハウゼン……お前いったい今まで、何してた?
 覗き魔で、コレクターで、貴族の醜聞を集めてきたくせに、それぐらいの事、押さえつける事もできなかったのか?
 親父も親父だ。無気力ぶって目を逸らしていただけだろう。俺としてはそれぐらいで連れてきたら、ぶっ殺すぞ。ぐらいの気持ちで睨みつけたら、誰も連れてこないようになったがな。
 パーティーで見初めたっていうんなら、見てみぬ振りしてやってもいいが、親父の下にも連れて行くなと言い聞かせるのは、ちと苦労だった。

 ■ノイエ・サンスーシ 皇太子の別館 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■

 ここに来てからというもの、バタバタとした生活も、ようやく落ち着いたような気がします。
 皇太子殿下に初めてお会いしたさい、一言、悪かったなと仰られたのには驚きました。私をここに連れてきた役人達の言っていた、皇太子殿下が見初めたらしいというのは、どうやら勘違いだったようです
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