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レインボークラウン
第五十四話
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           第五十四話  マッドサイエンティストの競争
 クラウンが雅美達と再会し親睦を深めている頃天本博士は相変わらず生体実験や大量破壊兵器の開発といった趣味を満喫していた、その中で。
 町を自動式車椅子で歩いていると因縁をふっかけてきたヤクザ者を捕まえて研究所で人間は何処まで痛みに耐えられるかという実験をしながら小田切君にこう言うのだった。
「マッドサイエンティストの世界にも競争があるのじゃよ」
「というか博士みたいな人が世界にまだいるんですね」
「うむ、おるのじゃよ」
「世界にとって深刻なことですね」
 小田切君は常識の範疇からこう博士に返した。
「博士みたいな人が何人もいるなんて」
「そうかのう。とにかくじゃ」
 博士は小田切君の突っ込みはあっさりと返してこんなことを話した。
「マッドサイエンティストは互いにどれだけ多くの人間を殺せる兵器を開発するとかな」
「そんなことを競うんですね」
「生体実験もじゃよ」
 今丁度ヤクザ者にしていることだ、目を強引に開かせてその上から有機王水を垂らしながら言うことである。
「これもどれだけ実験素材を惨たらしく苦しめ抜いて殺すかな」
「今みたいにですか」
「そういうことじゃよ」
 博士はこう小田切君に話す。
「今もそうじゃよ」
「ううん、相手の目に有機王水を垂らすことも」
「生きたまま皮を剥ぐのもな」
 今度はそれをする博士だった、勿論麻酔なぞは全く使わない。
「よいのじゃよ」
「皮を剥ぐ際注意することは途中で皮を切らないことじゃ」
「つまり頭のてっぺんから足のつま先まで一気にですね」
「剥ぎ取りそしてじゃ」
 そのうえでだというのだ。
「相手をどれだけ苦しんで死なせるかも競うのじゃよ」
「犠牲者がかなり多そうな競争ですね」
「犠牲?そんなものは気にせんよ」
 博士にとって人命なぞ塵芥以下のものだ、さながらモンゴル帝国の様な人権感覚である。
「一切な」
「ですよね、やっぱり」
「わしはその競争に負けたことがない」
「今もですね」
「さて、こ奴はこのまま一日塩水に漬けてやる」
 皮を完全に剥いで肉と神経を剥き出しにしたうえでそうするというのだ。
「氷と唐辛子も入れてな」
「古代的ですけてど恐ろしいですね」
「まあ基本じゃな。基礎に帰るのもよいことじゃ」
 マッドサイエンティストにしてもそうだというのだ。
「では塩水が入った桶を持ってくるとしよう」
「わかりました、それでそのヤクザ屋さんで、ですね」
「何処まで痛みで正気を保っていられるか見てやろう」
「何かもう終わりかけみたいですけれどね」
 皮を完全に剥がれてその肉を笑わせている、左目は既に有機王水で焼かれそこから白い煙を出している、これではだった。
 ヤクザ者は塩
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