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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第08話
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なのかな……。

「あ、足なら大丈夫よ?私って痺れにくい体質なの」

俊吾の心の中を見透かしたようにそう言った。そして、足を動かす。本当に足は大丈夫のようだ。

「さて、落ち着いたところで本題に入るわね」

楯無は仕切り直すように言った。

「今日はごめんなさいね。緊急とは言え、俊吾くんに二人を助けるよう言っちゃって。それに、ISだって使わせちゃったし」

楯無はどこか申し訳なさそうに言った。

「取り調べのことに関して謝ってるなら、感謝するのは俺の方ですよ。刑が軽くなるように言ってくれたんですから」

「でも、原因を作ったのは私で……」

「それは違います。ISを使ったのは自分の意思です。取り調べだろうと身柄拘束だろうとされる覚悟で使いました。だから、楯無さんは気にしなくていいです」

俊吾は楯無に反論されないように、一気にそれを言った。その言葉を聞いた楯無は、どこか諦めたように言う。

「……ごめんね。野暮な事を聞いちゃったわね」

そう言って、楯無はどこか迷うようにしていた。そして

「俊吾くんはどうして自分を犠牲にしてまで二人を助けたの?」

と言った。

「……二人は正直言って危険な状況でした。先生を呼びに行って間に合うかわからないくらい。だから、俺がISを使って医療室に運びました」

「…………他には?」

俊吾はその一言に少し動揺した。

「他にって…………他にはありませんよ」

「嘘よ。だって、俊吾くん目が泳いでるもの」

そう言われ、自分が楯無を直視できなくなっているのに気づいた。

「………………確かに、この理由は二の次ですけど」

「けど?」

「…………他の理由は気軽に人に言えるものじゃないです。それに聞いても気分が悪くなるだけですよ」

俊吾はそう言ったが、楯無は全てを見透かしたように言った。

「でも、それは俊吾くんの中では解決してない、でしょ?」

俊吾はそう言われドキッとした。俊吾自身は自分の中で区切りをつけていたつもりだった。だけど、そう言われてドキッとしたということは、区切りがついていないということになる。自分自身が分からなくなる。けれど、それを楯無に悟られないようにする。この人には頼れない。そう思った。

「…………そんなことないですよ。区切りはちゃんとついてますよ。じゃないと、今も満足に生活できませんって」

そうは言ったけど、自分の中に穴が再び空いたような気がする。いや…………この穴は気がつかないようなふりをしていただけか。結局、俺は区切りをつけられないでいるのか……。

そんな俊吾の内心を見透かしているかのように、楯無は言った。

「ねぇ、俊吾くん。私ってそんなに頼りない?それとも、頼れるほど親密
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