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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第08話
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その言葉を信じたようでそう言った。一夏はシャルルに抗議の目を向けたが、シャルルはただ困った顔をしただけだった。

この中で俊吾の今の状況を知っているのは一夏、箒、シャルルの三人である。鈴とセシリアはまだ起きてから時間が経ってないので、状況を知らない。自分たちがどのような状況であったかさえ。

「僕も疲れちゃったから、先に部屋に戻るね。二人共、お大事に」

シャルルはそう言って、医療室を後にした。
◇   ◆   ◇   ◆

同時刻。俊吾は応接室で教師による取り調べを受けていた。

「大海君。君は、ISを指定範囲外で使用した。それに対しての弁明は?」

「ありません」

取り調べが始まって数十分、俊吾は言い訳を一切言わなかった。今回の件は完全に自分に非があるし、これを予想してISを使用したのだから。だから、全てを肯定してきた。

何故、ここまで大掛かりに取り調べを行っているかというと、ISは一機あれば国を滅ぼせるだけの戦力を有していう。だからこそ、国はISをしていないでしか使用できないように制限をした。それを破るとなると、国への反逆行為とみなされ、今の俊吾の様な状態になる。

教師が次の質問事項に移ろうとした時、応接室のドアが開いた。入ってきたのは千冬だった。

「織斑先生、どうしました?」

「この後の取り調べは私が行う。私のクラスの生徒なのでな」

千冬はそう言うと、教師は外に出て行った。千冬は、先ほど教師が座っていた場所に腰を下ろす。

「随分無茶をしたな、大海」

千冬は俊吾を真っ直ぐ見つめそう言った。俊吾はその瞳を受け止め、何も言わない。

「お前のことだから、こうなることは予想できたはずだ。何故、ISを無断使用した?」

俊吾は自分の言い分が言い訳になると思い、何も言わない。

「……オルコットと鳳は無事だ。今、起き上がれるまで回復した」

「!」

良かった……。二人共何ともなくて。生体バイタルが下がっているから、もしかしたらって思ってたけど杞憂だったみたいだ。本当に良かった……。もし、二人が死んでしまったら、俺は…………。

「今回のIS無断使用は二人を医療室に運ぶ為だったのだろう?」

「…………」

「無言は肯定と取るぞ?確かに、緊急事態でのISの使用については黙認している部分もある。今回も黙認できるレベルであるのは確かだ。だが、今回は目撃者が多すぎた。減刑という形になるだろう」

それでも正直ありがたい。こっちは何日か身柄を拘束される覚悟でISを使った。織斑先生が何らかの手回しをしてくれたということなのだろう。

「お前は私が手回ししたと思っているだろうがそれは違うぞ」

心を読まれたらしい。いや、顔に出てたんだろうな。自覚はないが。

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