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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第08話
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活を自分が何事もなく過ごしているから?あいつを哀れんでるから?あいつへの同情?そんな事を考えてると、優に対して失礼だろう、俺。でも、ダメだ。感情がグチャグチャになって何を考えてるのか分からない。
いつの間にか、俊吾のそばに楯無が来て、俊吾を抱きしめていた。俊吾はそれに気づかない。
「その後、中学終わるまで普通に過ごしました。けど、心には大きな穴が空いていて、現実を見ると辛くて……。もう、辛くて辛くて……。教室でみんな優の事を思い出して泣いてる奴がいるのに、俺はどこか冷静で、俺って優のなんだったんだろうって思い始めて」
「俊吾くん」
「友達だったはずなのに、親友だったはずなのに、居なくなっても悲しくなくて、悲しいって感情が分からなくなって……。もう、自分が分からなくて……」
「俊吾くん」
「俺って人間は親友の死を悲しんでやれないような人間なのかって思うと、自分が嫌で嫌で……。優がいないのに何事もなく過ごしている自分が嫌で……」
「俊吾くん!」
楯無は俊吾を強く抱きしめた。俊吾はやっと、自分が抱きしめられていることに気づく。そして、その暖かさの中で自分と向き合う。
「俺は……俺は…………もっと優と遊びたかった。高校に行っても帰りに合流して遊びたかった。文化祭とかでお互いの高校に行って、一緒に回ったりしたかった。予定してた卒業旅行もみんな一緒に行きたかった。二十になったらお酒を飲みに行きたかった。それで酔っ払って、朝帰りになったりして。その後、年取っても時々集まって遊びたかった」
俊吾は嗚咽と一緒に感情を吐き出す。
「死ぬまで…………一緒にいたかった……。何で……先に逝っちゃったんだよ……。畜生……。くそっ…………くそっ………………くそっ……………………!」
楯無はさらに強く俊吾を抱きしめた。俊吾は楯無に抱かれながら、涙と一緒に自分の感情を吐き出し続けた。
十数分後。泣き止んだ俊吾は酷い顔になっていた。だが、心はどこか晴れ晴れとしていた。
「楯無さん……ありがとうございました。やっと心のつっかえが取れた気がします」
「ううん。私も無理に言わせたみたいでごめんね。でも、俊吾くんが悩んでるのを知ってて、それをどうにかしたいって思って……それがこんな形になってごめんなさい」
「いえ、こんな形だったけど全部を吐き出せて良かったです。吐き出せなかったら、一生悩んでたと思うし」
「そう…………じゃあ、良かったわ」
優しい顔で楯無は微笑んだ。その微笑みは俊吾の心の中も暖かくした。
「一杯泣いて疲れたでしょう?今日はもう寝なさい」
楯無は俊吾をベットに寝かせる。そして、頭に触れて優しく撫でる。
「おやすみ、俊吾くん」
「…………おやすみな
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