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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第08話
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週明けの月曜日。ここは第二アリーナ。学年別トーナメントを二週間後に控えた今では、放課後のアリーナは練習する生徒で溢れかえっている。何故、みんな躍起になっているかというと『優勝した人が一夏と付き合える』という噂が流れているらしい。それは躍起になるわ、と俊吾さん。そんな中に混じって、二人の影が他のみんなとは違うオーラを出していた。鈴とセシリアである。
「さてと、学年別トーナメントまで2週間ってとこだし訓練しましょうかね」
「あらあら、鈴さん。ご機嫌よう」
全くもって白々しい。
「あら〜、セシリアじゃない。どうしたの、こんな場所で?」
「それは鈴さんも一緒でしょう?私は、もちろん学年別トーナメントの練習ですわ」
「奇遇ね、私もなのよ。丁度良いし、久しぶりに模擬戦でもする?」
この二人、俊吾を交えた時に何度か模擬戦をしているが、ここ数日は部活などで予定が噛み合わなく、一緒に訓練もしていないといった状況だった。
「それは名案ですね。私も、鈴さんと久しぶりに手合わせしたかったですし」
二人はISを展開して、上昇しようとする。だが、一発の砲撃によってそれは阻まれた。
「ったく、誰よ。こんな事するの。って、分かりきってたか〜。こんなことやるのは一人しかいないもんね」
鈴はそう言いながら、砲撃がきた方向を睨む。そこには予想通りの顔があった。ラウラである。転校初日に一夏の事を引っぱたいたので、一夏ヒロインズは友好的な感情は一切持ち合わせていない。
「っふ、甲龍にブルーティアーズか…………資料で見たほうがまだ強そうだったな」
「確かに、今の私たちでは完全に性能は引き出せていませんね。けれど、それはあなたも一緒ではなくて?」
ブルーティアーズの事を馬鹿にされた割には冷静だったセシリアだが、額に怒りマークが見える。前言撤回させてもらおう。ブチギレている。
「ふん、貴様らと一緒にするな。私は完全に性能を引き出せている」
「へ〜、なのにドイツは第三世代機がトライアルなんだ〜。私たちはトライアル段階、随分前に終わってるけどね〜」
鈴もいつにも増して、皮肉全開である。そして、ラウラも今の一言にイラついたらしく、ピクっと反応した。
「量産機に負けるような奴を代表候補生にするなど、数だけが取り柄の国と古さが取り柄の国はよほど人材不足と見える」
こちらも皮肉全開である。全くもって恐ろしい連中だ。
「…………なんですって」
「…………おほほほ、勢い余って消し炭にしてしまうそうですわ」
完全に怒りモードに突入した二人。これを止められるのは一夏…………は無理であろう。火に油を注ぐだけの存在なのだから。となると、沈静化出来るのは俊吾くらいだろう。今、この場に居合わせないが。
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