第三十二話「長ネギは大変体に良いのです!」
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に遠ざかって行く背中を眺める俺たち、その心境は複雑だった。
あのコカビエルをまるで赤子の手を捻るかのように造作もなく葬り、最後に爆弾を落としていった人間。
あれが、最強のエクソシスト集団か……。
彼らの気軽な会話がここまで聞こえてくる。
「しかし、今回の仕事はいつにも増して手応えがありませんでしたねぇ。今度はもうちょっとマシな仕事を回して欲しいものです」
「……同感……だけど、博士が相手だと、みんなあんな感じで終わるから……結局変わらない」
「わぁかりませんよぉ? もしかしたら、わたくしの手に負えない相手がいるかもしれませんしぃ」
「……この世の理から宇宙生誕の真理……多次元世界の確立……過去・現在・未来の帰結……アカシックレコードの座標の計算に、構成要素の割り出しまで出来てしま、う……異常博士の相手が出来る……人外、が?」
「かも、しれません。わたくしの知らない所にいるかも――いたらいいですねぇ……。というか、異常とは失礼ですねぇぇぇ……わたくしはただ、計算しただけにすぎないですよぉ?」
「理解力、解析力、計算力マックスの博士……わからないものって、ある?」
「なぁいからこまってるのですよぉぉぉ! わたくしを驚かせるような、あっと言わせるようなイレギュラーがどこかに転がってませんかねぇぇぇ?」
「多分、ない……と、思う」
「ああッ! なんでこうも上手くいかないのでしょうかっ! わたくしはただ、計算しきれない真理が視たいだけなのにぃぃぃ! ……上手くいかない? 上手くいかない原因とはいったいなんでしょう…………はっ! もしやここに、私の視ぬ真理があるのでは!?」
「妄想、乙……」
言いたいことを言い合いながら遠ざかって行く背を見送る俺たち。
た、助かった……のか?
衝撃的な展開のオンパレードに脳が状況を理解するまで数秒を要したが、結果から考えるとそうなんだと思う。
コカビエルは結果的には倒せたし、街の破壊は防げた。エクスカリバーも一段落したし、木場の件も無事終着したんだから……結果オーライってことでいいんだ、よな?
「……見逃してくれたと、見ていいんでしょうね」
いつの間にか流れていた汗を拭った部長がホッと息を零す。
『ぶぁか! ぶぁか! ぶぁぁぁぁああああああああああかぁ〜〜〜〜〜〜!!』
……遠くから博士の意味不明な罵声語が聞こえるが、皆は無視の方向で進めるみたいだ。確かにアレに気を配ってたら気疲れしちゃうよ。
「ま、まあ! なにはともあれ一件落着したみたいでいいじゃないですか!」
駄々下がり気味のテンション
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