本編 第一部
二章 「恋と危険は何故か似ている」
第十話「豊村伊佐の過去」(後編)
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、自分が今どうなってしまったか分かってなかった。というかこの幹部の男を知っているものならその時点で気づくべきだった。いやそもそもイルミナティという、悪魔を探し出す組織がその懐中に悪魔を宿した人間が潜伏していたことに誰一人気づかなかったのだ。
そう、その男には、ルシフェル、地獄の魔王そのものが宿っていたのだ。
そして、そう、その事件そのものが魔王の画策した罠だった。
ルシフェルは狡猾だった。この臆病な男だったらこれくらいする、そう踏んだ、ルシフェルは、その時点で伊佐に宿りしものを知っていてその上で、その宿りし者の意図を踏み潰さんがための小細工をしたのだ。これでも宿りし怪物が姿を現さないなら、ルシフェルは、銃弾に込めていた魔力で絶対に伊佐を殺すつもりだった。もし失敗したとしてもルシフェルはまた地獄の底にもどるだけだろう。
だが、伊佐の中に宿るものはそこまで甘くはなかった。そしてその場にいたものは驚愕の光景を見た。どのぐらいの大きさか、数学で表すのは無理だろう。そのものは、そのものの住む世界そのものをそこに現出させた。そして自分の計り知れない大きさを持って全てを威圧するのだイルミナティの誰かが言った。「バ、バハムート!!」
魔力の宿った銃弾などはもはや意味をなさない、なぜならその者の威圧は、銃弾を放つという行為さえ、いや、その者のまえではいかなる抵抗もできるものはいなかったからだ。
男に宿っていたルシフェルは、その存在を知ってはいたものの、それで下手に刺激してはいけないものと悟った。
この魔王の小細工は、眠っていた怪物を起こしそして、イルミナティに言いようのない恐怖とその場での全てのものの気絶を引き起こした。
かくして、伊佐に何がやどっていたかは、確認されたのだ」
「バ、バハムート?あの俺の夢に出てきた?」
「なんだとおまえ、夢でみたと?」
「ああ、いや確かかは分からないが、ものすごい大きな化け物だったよ、そのせいで夢の中で気絶していたがな」
「伊佐・・・・・・」
「やはり、賢治、おまえはわたしの運命になにかをもたらす存在らしい」
「だがこれで伊佐の宿っている者の正体を知った。なあバハムートとはなんなんだ」
「バハムート、旧約聖書にでてくる神が五日目に創造した獣だよ、あらゆる獣の王であり。その巨躯で大地を覆いつくす存在。神の傑作にして、完璧な獣。旧約聖書での名はベヒモス。あの有名なアラビアンナイトでバハムートと呼ばれるようになる、一貫しているのはすさまじく巨大だということある娘がバハムートを見たときそのあまりの大きさに気絶した三日の間気絶していたが、意識を取り戻してもまだバハムートは通り過ぎていたらしい」
「だが結局、これから何が起きるんだ?」
「それは山を降りてみんとわからんということだ」
話が終わってもうあたりは日が暮れて
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