本編 第一部
二章 「恋と危険は何故か似ている」
第八話「神武不殺」(だが修行で死んだら元も子もねえんだよ!)
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しく生きた奴が一番いい。だがなんというのかな、戦いをさえも面白がる。むかし幕末の頃にはそういうのがいっぱいいた。わしはな、今の世の人に言いたいのじゃ、戦いなんて息が詰まると思うのではなくて、戦うということを覚悟として腹に据えて置ける人にわしはみんなになってほしいのじゃ、今は大平の世だが、この国のトップにいる連中が人のするような事ではない狂った所業に陥ったとき、一人の人間として許しておかんと戦えるようになってほしい。そのための武術だ。武術が鍛えるのは技だけではない。おまえが本当に外道に走るようなことがあるなら、おれは命を懸けておまえと戦ってやると、言えるそんな心構えをつくることが出来る」
「そんなふうにちゃんと戦う心構えができる人間が増えたら、きっと友達というのも友情だってまったく違ってくるでしょうね」
「そうじゃ、だからおまえは強くなっておけ、いつか大事な人を守れるように」
「はい!」
すると、ちょうど、伊佐が帰ってきた。
「おお、賢治。ウサギが取れたよ、ウサギは脂肪分もあまりないから、さっぱりしてるこれを煮込んでシチューにでもするから。なあに圧力釜持ってきたから、すぐにできるぞ」
「なあ、どうやってそれ捕ったんだ?」
「ちょうど、見かけたんで気配を消して石で気絶させたんだ」
「じゃ、それまだ生きてんの?」
「うん、なんたって新鮮なのがいいからな」
「あ、ありがとうな、俺のために」
「よし今から作るから、じいちゃんと稽古してろよ」
「お、おう」
なんつーか伊佐って。
その日もじいさんの稽古はものすごかった。
「いいか、あくまで神武不殺、おまえの手足は、もはや人を殺せる武器といえる。だがその武器を持ってもいや持つからこそ神武不殺なのだ」
「はい!」
「よし、それでは夕飯にしよう。ああ、賢治そろそろ、一回山を降りて人里に出よう、山にいると全てが修行でとてもよいのだが、伊佐もおまえも中学生、宿題なども終わらせねばならんだろう?」
「あ、そうかまあいいか、伊佐、一緒に勉強しようぜ。おまえ、頭良さそうだから、わかんねえとこ教えてくれよ」
「うん、別にいいぞ、ときに賢治は成績いいのか?」
「ふっ、この通称見てくれヤンキーに成績を聞くとは、いっておくがな、俺がヤンキーだとみんなに思われている影でおれは、水面下でものすごく努力していたのだ。この金髪のせいで塾にも行きづらい俺は、まず宿題を終えたあとに、独自に編み出した必勝、予習復習アウトプット法で、成績はかなり上がっている。学内で三位には入るだろう。だが何故そのくらいの成果をだしているのに誰もが俺をヤンキーだと思い込むのか、実は一度、がり勉の白石くんに廊下でぶつかった時に、彼が勝手に、勉強面でおれになんでもするといってそのまま逃げていってしまって以来。俺はどんなに成績が上がっても全部白
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