第三幕その四
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今の言葉を聞いて思わず声をあげた。
「それはいい前兆です」
「いいのですね」
「そうです。ですからどうか」
そしてまたヴァルターに話すのだった。
「その夢についてお話下さい」
「ですが」
しかしここでヴァルターはその首を少し捻るのだった。
「それを考えて見て」
「ええ」
「それさえも躊躇います」
「何故ですか?それは」
「考え、見ることで消えてなくなることが恐ろしいのです」
「いえ、それは違います」
しかしそれは違うと彼に話すザックスだった。
「詩人の創作というものは彼が見た夢を解釈し、記すことなのです」
「そうなのですか」
「そう。人間のもっとも真実の迷妄は夢の中に現われるのです」
こう語るのだった。
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