崑崙の章
第17話 「……殺戮(キリング)、機械(マシーン)……」
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「左慈をけしかけておいてなんですが、誤って貴方を殺してしまうことも考えられたので……戦う前に、ここの水を飲ませるように言っていたのが幸いでした。いやはや……まさに急須に一生、ですね」
……それを言うなら、九死に一生だろうが。
「私が到着した時、すでに死んで丸一日経っていましたが……水のおかげでかろうじて蘇生できました。あと一週間もあれば、元の状態に戻れるでしょう」
死んだ状態の人間を、一週間で戻すか……
仙人界さま様だな。
「すまんな、北郷。試すだけのつもりが、つい熱くなってしまった。まさかあそこまでやるとはな……仙人の俺が死を覚悟したんだ。誇っていいぞ」
……は?
「……どう、いうこ、とだ……俺、おまえに……」
「? お前……覚えていないのか? 俺の渾身の一撃喰らって立ち上がった後、瞬時に消えるような動きで俺の肋骨と、右足と左腕を完全に砕いたんだぞ?」
「……へ?」
なにそれ……俺が、仙人の左慈にそこまでダメージを与えただって?
確かにボロボロになりながら、左慈の左足を潰したけど……それお前一瞬で治したじゃんか。
「全く覚えてないのか……?」
「……(コクン)」
「それはすごいですね……左慈にそこまでダメージを与える者がいるとは。正直私も思ってもいませんでしたよ。例のサイコバーストとやらですか?」
サイコバースト……いや、そんな機能はない。
俺のAMスーツのサイコバーストは、全て超常現象の攻撃系……加速装置や瞬間移動なんていう機能はない。
もしかして……AMスーツに俺の知らない機能でもあるということか?
「サイコバースト……話に聞いていたやつか。だが、北郷はそんな力は使ってなかったぞ。あくまで筋力増加ぐらいの機能だけだったようだが……そう言えば、なぜ使わなかったんだ? あれを使えばもっと有利に戦えただろうに」
………………なぜ、か。
「……なぜ、だろ、な。たぶ、ん……意地、か、な」
「……意地。プライドだと?」
「ころ、しあい、じゃない、だろ……」
「……俺は『死合う』と、そう言ったぞ」
「……了、承し、た……おぼえ、は、ない……」
そう言って、ニヤリと笑う……ように努力してみる。
うまく顔の筋肉が動かないが。
「……ちっ。少しは見直したかと思えば……やはり北郷一刀と同じだな。甘い考えだ」
そう言って吐き捨てる左慈。
こいつ……本当に一刀のことが嫌いなんだな。
やれやれ……
「ふふ……私はとても見直しましたよ。いえ、惚れなおしました。貴方のその意地……まるで左慈そっくりです。治ったら、ぜひ付き合って欲しいですね」
げ……
「ほう、俺とそっくりだというのは承服しかねるが、お前が北郷
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