崑崙の章
第17話 「……殺戮(キリング)、機械(マシーン)……」
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
その相手は……俺の先輩なのだから。
『ぐあっ……』
俺が、先輩……御神苗優の攻撃を食らって地面に叩きつけられている。
その様子を周囲で見守る人たちがいる。
ティア・フラット……アーカム現理事長で、自身もスプリガンの女傑。
ジャン・ジャックモンド……スプリガンのセカンドナンバーで、御神苗先輩の相棒。
大槻達樹……俺と一刀の同僚で先任。
そして一刀……
四者四様に、俺の姿を見て溜息をついている。
なんだよ……俺が優先輩に勝てるわけないじゃないか。
この人、スプリガンのトップエースだぜ!?
『おーい、どうした。もう終わりか?』
そう言って腰に手を当てて見下す先輩。
くそ……
『盾二ー! せめて一撃入れろよ! みっともねえぞ!』
黙れ、大槻!
お前だって、AMスーツなしじゃ優先輩にまともに打ち合えたためしがねえじゃねぇか!
『がんばれ、盾二! 俺の仇を討ってくれ!』
いや、一刀……そりゃ無理だって。
お前、一分もたずに気絶じゃんか!
大体、AMスーツなしでこの無敵超人とやりあうなんて、土台無理なんだよ……
俺たちの戦闘技術は、AMスーツありの状態が基本なんだから!
『あのなあ、盾二……お前の先読みと、後の先をとる戦法は悪くねぇけどさ。それに固執してたんじゃ、相手に戦い方を教えるようなもんだぜ?』
そうは言いますがね、先輩。
貴方のその……俺の数段上をいく先読みと、人間離れしたスピードに対して、ただの人間である俺にどうしろと?
『俺の実質的なスピードは、ジャンほど人間離れしてないぞ? それに俺の動きは朧直伝だが、目の錯覚やフェイントを織り交ぜて判断を誤らせるように動いているからそう感じるんだ』
いやいや……その朧よりスピードが早いと朧自身が認めていると聞きましたよ?
謙遜しないでくださいよ……俺が情けなくなりますから。
『やれやれ……お前の戦い方は、俺や朧に似ているんだがなぁ。いまいちカウンターに固執する性で、決定打がないんだよ。もっと強引に攻める事ができればなあ』
ごもっともで……
『まあ、その分お前の弟は攻めっ気が強すぎて、守りが疎かだからな。ハマれば強いけど、力量差があると脆いんだが』
優先輩……一刀は法律上弟ですが、それゆえに兄と呼んでいますので。
『お前らの俺ルールなんか知るか』
ごもっともで……
『互いを兄と呼び合う兄弟か……変な関係だな、おまえらも。まあ、俺も姉がいるから気持ちはわからんでもないが』
秋葉さんですよね。
俺も一刀より、お姉さんが欲しかったですよ。
『やんないぞ』
そういう意味じゃないです。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ