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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第2話 「認めたくないものだな。自分の若さゆえの過ちというものを」
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れてしまった。
 あの呆れたような目。
 ちょーむかつくー。

 ■ノイエ・サンスーシ 皇太子の間 リヒテンラーデ候クラウス■

 ルードヴィヒ皇太子殿下がまた奇矯な行動をなされている。
 この方を見ていると人というものは、二面性を持つものなのだと思わされるのだ。
 門閥貴族の雄であるブラウンシュバイク公爵家。リッテンハイム侯爵家。そのどちらも自主的に税制改革に乗り出したという。貴族の有識者のみならず、平民たちとも意見を交し合っているらしい。
 その噂は帝国全土にと広がり、貴族達は渋々と、平民達は好意的に受け止めている。
 貴族達が皇太子殿下を恐れ多くも何とかしようと思っても、ブラウンシュバイク家やリッテンハイム家がそれを許すまい。殿下とのあいだにどのような会話があったのかまでは知らぬが、帝国は変わろうとし始めている。
 いうなれば、平民達の誰か何とかしてくれという思いを、皇太子殿下が受け止めたのであろう。
 名君の器だ。
 だが同時に妙に子どもっぽい部分もおありになる。
 汎用人型機動兵器がそれだ。
 ザ○とか言っておられたが、皇太子殿下を乗せるわけには行かぬであろう。
 皇太子殿下がいなくなれば、改革は頓挫するのだ。暗く澱み、停滞し続けていた帝国にようやく、明るい希望が見え始めているというのに。平民達の不満も爆発するやも知れぬ。認めるわけにはいかぬな。
 それにしても“帝国の白い悪魔”や“イゼルローンの悪夢”などと、どこからそのような呼び名をかんがえているのやら……。あのお方は、ご自身が皆の希望を一身に背負っているという自覚に乏しいのだ。まったくもって困ったお方だ。

 ■幼年学校 ラインハルト・フォン・ミューゼル■

 姉さんが後宮に連れて行かれた。
 さるやんごとなきお方の下へと向かうらしい。その相手というのが皇太子だそうだ。
 ここのところ帝国を改革しようとしているらしいが、やはり皇太子も腐りきった貴族どもと同じだったのだ。
 何がこれからは良くなるよ、だ!!
 皇太子などに何ができる。
 やつも腐りきっている貴族だ。必ず姉さんを取り戻してみせる。

 ■皇太子の間 ルードヴィヒ・ゴールデンバウム■

 ふと背筋に怖気が走った。
 誰かの恨みが俺の元へとやってきているらしい。
 ふむ。ラインハルトだな。
 いい度胸だ。俺に喧嘩を売ったことを後悔させてやるぜ。俺は親父みたいに甘くはないし、優遇もしてやらんからな。欲しければうぬが力で時代を創るが良いわぁー。
 俺の嫌がらせから逃れる事ができるのであればなぁー。
 けっけっけ。
 まあ冗談はこれぐらいにして、ベーネミュンデ侯爵夫人に子どもができたらしい。
 俺の回りでもその話題が聞こえている。
 原作どおり、毒殺しようかとも思っ
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