第5話 帰り道
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オロチくらいならいいか……」
オロチがあれば少なからず、この浮ついた気持ちが落ち着くかもしれないからな。
レキがスコープやハイマキを連れてきたのにも、俺と同じように多少は落ち着かなかったからかもしれない。
そう思うと、俺だけだと不公平な気がしてきた。
「えーと……レキ。お前も校則違反にならない程度の物だったら持って行っていいからな」
「はい。分かりました」
「それよりも、かなめ。お前よく俺の『オロチ』のこと知ってたな」
かなめに――オープンフィンガーグローブである『オロチ』は、見せたことはあっても、名前を教えたことはなかったはずだ。
まあかなめのことだから、調べたのだろうということは分かるが――なら、どういう風にオロチの名前を調べたのかが気になった。
どう調べたかはあまり聞くもんじゃないと思うから、これ以上は追及はしないが。
「あー、それはね。……武偵高を出る数日前に、クラスの子たちから『迷子の子を見つけるの手伝って! 手当たり次第に探したいの!』って、任務を頼まれちゃって――」
「だから俺が武偵高出る時にほとんどいなかったのか」
「うん。――そうしたら調べてみると本当は誘拐事件だったらしくてね。頑張った結果、子供はちゃんと助けることは出来たんだけど……銃を持った仲間がいて、子供を狙ってたから――屋内だったから電気推進繊盾(P・ファイバー)も使えなかったし――とっさに助ける為に新しく思いついた技を試して使ったんだよね」
「新しい技……!」
こうしてかなめは平然に話しているが、俺は驚きを隠せなかった。
人をかばう為、あるいは自分が助かる為にとっさに思いついた新技を使うことで、俺は何度も危ない橋を渡ってきた。
そうか……お前もそうやって人を助ける為に新技を創ったのか……
――さすがは俺の妹だな。
「それで、これからもその技を使おう思って、平賀文に頼んでお兄ちゃんと同じようなグローブを作ってもらうことにしたんだ。使ったときは防刃ネクタイをとっさに手に巻いて使ったけど、やっぱりグローブの方が良いしね」
「平賀さんか……」
そういえば武偵高を出る前の金を返しに行った時、なんか編んでたな。あれ、かなめのだったのか。
「ついでに、頼む時に平賀文が『とーやまくんのオロチとほとんど同じグローブなら、編み方を覚えてるから、すぐですのだ!』って言ってたんだよ。まあ大きさや形は少し変えてもらったけどね」
平賀さんのマネをしながらそう言うかなめ。
結構、似てるかもしれない。
そのあとに『ふはふははっ』と笑っている姿が目に浮かぶ。
「できたらお爺ちゃんの家に配達で来るようにしてきたから、あと数日で届くと思う」
「そうか。良かったな」
なんでか分からないが、かなめがそうや
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