第5話 帰り道
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う曲が一緒だった。
それに……やっぱりこの人数で一時間じゃぜんぜん歌えなかったな。
あと、クラスの奴らが俺とレキをチラチラ見ながらこそこそ喋ってたんだが……何かヘンな所でもあったんだろうか?
分からんことだらけだな。一般校の世界は。
カラオケを終えて、レキとかなめに左右に挟まれながら帰っている途中、三人ともなぜか黙っていた空気の中――ついにレキが口を開いた。
「――キンジさんは手が早いですね。さすがです」
「……なんの話だ?」
「先ほどの女性の事です」
「もしかして……萌のことか?」
レキはカラオケの最中も、萌のガン見してたからな。それ以外思いつかん。
「そうだよねー。さすがお兄ちゃんだよ」
レキの言葉にかなめまで乗ってきた。
「だから、それはどういう意味で言ってるんだお前たちは……」
理由を尋ねると、二人ともノーリアクション。
ホント、なんなんだこいつら。
仕方ない。ここは俺も無視して話題を変えよう。
俺は先ほどレキがコインロッカーから取り出したトランクに指を何回か当てた。
「それより、レキ。お前……こんな物あんな所に置くなよ。あとハイマキも連れてくるな。家に置いておけ。誰かにかみついたりしたら一大事だし。銃剣も持ってくるなよ? 校則違反なんだから」
クラスのみんながハイマキを見て怖がってたし。
カラオケに入れたかったから、外でおすわりしてるハイマキを見て帰った客もいるかもしれない。
なのでハイマキを連れてくることを止めさせ、念には念を入れて銃剣も注意しておく。
「分かりました。ですが……」
「ですが何だ」
「警戒して下さい。風に関わる者の存在を感じます。全くの偶然と思われますが、遠くはない」
出た。『風』。まだそれ、レキの中で生きてたのか。
だが俺はさっきのお返しで、自分に都合の悪い話は聞かなかったことに……
「ふーん……よく分からないけど、敵が来るかもしてないんだったら、お兄ちゃん『オロチ』だけでも学校に持っていけば? あれなら校則違反にもならないし、ポケットにしまってられるよ」
横から会話に割り込んできたかなめのせいで出来なかった。
「いや……確かに校則違反してないかもしれないが……」
実際の所は分からないが、どうなのだろう。
まあ、それくらいなら持っていっても良いか……いや、でも……
「お兄ちゃんは悩み過ぎだよ。それくらいの武器――というか武装したって大丈夫だよ。いきなり一般人になるのは、ムリがあるからね」
なるほど。かなめは今日の俺の様子を見て、いきなり全武装を解除させないほうが良いと思ったのか。
確かに武偵高でいつも着ていた防弾制服がなくなって、落ち着きがなかったのかもしれない。
「……まあ、
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