第二幕その二十三
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「戦争より酷いわ」
ヴァルターもエヴァも呆然とするばかりで動けない。その間ポーグナーもマグダレーネを探していた。
「水よ、早く水をかけて!」
「持って来たわ!」
「私も!」
ここで皆やっと水を持って来た。そうしてそれを思いきりかけるのだった。
「うわっ、今度は何だ!?」
「これって一体!?」
しかしこれで皆頭が冷えそのうえでやっと我に返った。そうして落ち着きそのうえでそれぞれ家に帰っていく。ザックスはそれを見てまずは呆然となっているダーヴィットを見つけ頭をがつんとやってからそのうえで家に放り込み返す刀で菩提樹の陰のダーヴィットとマグダレーネを見つけそのうえで二人も家の中に入れてしまった。
「さあ、こっちへ」
「えっ!?」
「今度は何!?」
二人には何が何だかわからない。しかしそのまま家に入ってしまった。マグダレーネはポーグナーにエヴァと間違えられ彼の家に引き入れられた。
「さあ、寝よう」
「あれっ、私はこっち?」
「何かよくわからないが寝よう、もう」
「はい。それじゃあ」
彼女も何が何なのかわからないまま家の中に入る。何はともあれ騒ぎは終わるのだった。
ベックメッサーも散々に打ち据えられた姿でほうほうのていで退散する。服も帽子もリュートもぼろぼろでよれよれになって去っていく。一人寂しくであった。
暫くして何も知らない巡検が来る。そうして言うのだった。
「皆さん、鐘が十一時を告げました」
町の喧騒の結果は何故か目に入っていない。
「悪魔に魂をおかされぬよう幽霊や妖怪に御用心」
いつもの言葉である。
「神を讃えましょう」
こんな話をしてから場を去るのだった。ニュルンベルグの町の騒ぎは何事もなかったかのように終わり後には何も残ってはいなかった。
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