第十九話 覚悟
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に進める事が出来る。まあ、アサシンは良く分からんが。それにあの不気味な男……おそらくはキャスターだろう。真っ当な魔術師には到底見えなかったがな」
「…………」
確かに、あの戦いで私達はランサーの真名を暴く事に成功した。
それは聖杯戦争という戦いにおいては、かなり優位と言える。
だが、それはあくまで結果論。
アスナは、マスターでありながら身勝手な行動をしたせいでキャスターにやられる寸前だったのだ。
それにアーチャー自身も、ランサー、そしてアサシンとの三つ巴の戦いで傷を負った。
これほどの事が一気に襲って来たのだから、アスナは責任を感じずにはいられなかった。
再び視線を床に向けてアスナは黙り込んだ。
「――――ふぅ……マスター、確かに君のした事は褒められるような事ではない。マスターの身でありながらサーヴァントを連れずに動き回ったのだ。正直、自殺行為だった」
アーチャーの辛辣な言葉にアスナはビクリと肩を震わせる。
「キャスターに攫われかけ、ランサーとアサシンとの殺し合い。正直、無事に戻れた事が不思議なくらいだ」
アーチャーは冷静に語る。
その度にアスナは小さく身を縮めていく。
「だが、これは全て私自身の責任でもある」
「……え?」
ビックリとした表情でアスナは顔を上げた。
「事前に詳しく説明していなかったからな。聖杯戦争を甘く見ていても不思議ではない。それに、私も彼らを見余っていた。あそこまで押し込まれるとは思わなかったからな」
アーチャーは自嘲するように言う。
自分が事前に詳しく説明していなかったから。
自分の実力不足だったから。
アーチャーは自らの責任だと、そう言った。
「違う!あれは私がアーチャーの言う事を聞かなかったから。私はアーチャーがいなくても一人で対処できるなんて思ってたから……」
アスナは反論した。
アスナ自身も自分の実力を見余っていた訳ではない。
攻略組でもトップクラスの実力ならば、そんじゃそこらのモンスターにやられる事は無いだろう。
だがサーヴァント相手となると、まさに大人と子供のような力関係になってしまう。
アスナも、サーヴァントを手に入れた者は全員が全員、皆攻略に力を入れる訳ではないだろうと覚悟はしていた。
だけど、今回の戦いで覚悟が甘かったと叩きつけられた。
純粋に聖杯を求めるものもいれば、急に大いなる力を手に入れ我が物顔で虐殺を楽しむものもいる。
ゾッとするような現状にアスナは再び顔を俯かせた。
「マスター、今回の戦いで分かっただろう。サーヴァントはただの便利な相棒ではない。殺し合いをする為の剣でもあり盾でもあるのだ」
アーチャーは諭すようにアスナに言う。
「もし、君がこの戦い
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