第十九話 覚悟
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辺が納め時ってやつか?」
ランサーは少女に答えると、槍を肩に担ぐ。
「呵々々々―――――――仕方あるまい。いささか以上に惜しいが、今宵はここまでが限界か。雪辱は後日の楽しみとしよう」
アサシンはそう言うと、ランサー、そしてアーチャーへと視線を向ける。
「では、次に会い見える時は仕留めさせて貰うぞ」
「戯言を……それはこっちのセリフだ、アサシン」
そう言うと、アサシンはアーチャーへと視線を向けた。
アーチャーは左腕を抑えながらも、直立不動でアサシンの眼を見つめている。
「卦体な技を持っているようだが、その妙技…儂にも通じるか……。貴様ともいずれ闘りあう時を楽しみにしておこう」
アサシンはそう言い残し、空気に溶けるように完全に姿を消した。
気配も完全に消え去り、アサシンはこの場から完全に消え去った。
「………………」
「………………」
この場には私たちとランサーの主従が残っている。
ランサーは槍を肩に担いでアーチャーを睨み、アーチャーは片腕を抑えながらランサーをただじっと見つめている。
そして、ランサーのマスターである少女は、私の眼を見つめていた。
「――――次は倒すから」
少女はそう言うと、
「ランサー」
ランサーを呼び、その場を後にしようとする。
「――――――あの…あなたは…」
私は何を聞く訳でもないが、声をかけてしまった。
何故か問いかけなければいけない気がして。
「――――――サチ」
「……え?」
思わず声を上げる。
「私の名前」
彼女のHPバーの下へ目を向ける。
そこには、ローマ字表記で「SACHI」と書かれていた。
正直、私は彼女に言われるまで名前に気がつかなかった。
この戦いの嵐の中で、少女のHPバーの下にある名前にまでは、気を向けられなかったのだから。
少女はそう言うと、ランサーに抱えられる。
「次は、全力で叩き潰させてもらうぞ」
ランサーはサチの腰に手を回すように抱えると、一瞬でそこから消え去って行った。
アサシン、そしてランサーの主従がこの場から立ち去ると、ドッと私の体が重くなった。
相当力を入れていたようで、膝がいとも簡単に折れ曲がりその場に崩れ落ちる。
同時に、体が空気を求めるように、呼吸が激しくなった。
体に力が入らない。
私は目の前で、人知を超えた戦いを見せつけられたのだ。
その殺気の固まりを目の前で見せられ、そして体中にぶつけられたのだから、足腰が立たなくなるのは当然なのかもしれない。
殺気の籠ったアサシンの拳。
呪われているが如く、気味の悪いランサーの槍。
そしてそれらを不気味なほど冷静に対処するアーチャーの双剣。
思いだすだ
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