第十九話 覚悟
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ャーの目の前に桃色の七つの花弁を持つ花が咲き誇った。
ランサーの必殺の槍はアーチャーの創り出した盾によって防がれる。
アーチャーが創り出したアイアスの盾は、かつてトロイア戦争で第英雄ヘクトールの投槍にも無傷で防ぎきった代物だ。
「……んだと?」
ランサーもこの光景には思わず声を上げずにはいられない。
なにしろ、必殺を誓って繰り出した槍なのだ。
まさか防がれるとは思いもしなかったであろう。
「チッ、まさか止めるか――――――――だが…」
怒鳴る事もせず、ただその行く末を見守るランサー。
周りを暴風が撒き散らす。
ランサーの投擲した槍は、アーチャーの盾の花弁を一枚ずつ破壊していく。
「それでもそいつは―――――――――――――止まらねぇ」
ランサーが呟く。
その言葉通り、槍は花弁を一枚ずつ四散させ、アーチャーの元に届こうとする。
「―――――――――っ……!!!」
無残にも枯らされていく桃色の花。
アーチャーの表情にも余裕がなくなっていく。
殺しきれない真紅の魔槍。
槍はアーチャーの喉元寸前にまで届こうとしていた。
「ぬううううう――――――――――あああああああああ!!!!」
アーチャーの咆哮が木霊した。
全身全霊の力で自らの盾に力を込める。
そして……
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「―――――――――――――――」
言葉が出ないほどの衝撃。
正直、私は目の前で起こった事を理解する事が出来なかった。
簡単に言うなら、ランサーの投げた槍をアーチャーが盾で防いだ。
という説明になるだろう。
だけど、私が今目の前で見た光景は、そんな言葉じゃ決して言い表せない程の激闘だった。
その証拠に、私の目の前に立つアーチャーは右肩を抑え満身創痍の状態で立っている。
目の前に突き出していた右手は、肩口から赤いエフェクトを撒き散らし千切れる寸前。
他にもあちこちに傷が付いている。
そんな状態になりながらも、アーチャーは槍を防ぎ切った。
―――――――――――――――スタン。
アーチャーの向こうに誰かが着地した音がする。
音の主であるランサーは、ただ目の前にいるアーチャーを凝視している。
「……驚いたな。まさかアイアスを貫通しうる槍がこの世に存在していたとは」
「――――――――――――――」
アーチャーはランサーへと賛辞を送る。
だが、ランサーの方は憤怒の表情でアーチャーを黙って見つめている。
視線だけで人を射殺せそうなほどに。
「貴様――――――何者だ」
怒気が籠って入るが、幾分か冷静さも取り戻した声色で、ランサーが口を開いた。
「君の見立て通り、ただの
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