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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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喰い合い
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ゾグッ、と明らかに異質なナニカがレンの体全体から溢れ出す。

それは心意ではない。常人なら、欠片でも見たら発狂するほどの殺人の経験から来る、凄みとでも言うのだろうか。

それは、数十メートルは離れている二人の手練れをたじろがせるには、充分すぎる量。

紅く染まった眼光で、レンの口は血でも垂らすかのような軋んだ声を吐き出す。

「プログラム強化完了ォ。クッカカ。これでお前等をコロセル」

その体から、もはや何も出ていない。ただ、殺気だけが空間を支配していく。

その矛盾した異常に、リョロウとセイが気付かぬはずもない。

そう、まさに矛盾。

相手を殺したいと思い、出る殺気と、心意の力は切って離せない関係だ。

しかし、レンの体からは一切の心意的エネルギーを感じられない。はっきり言って、異常だ。

そして、ソレが口を開く。

「お前ェ等は、僕をこの場に来させるべきじゃなかった。こんな風に遊ぶんじゃなく、一撃で仕留めるべきだったんだ…………」

ぐるり、と首を巡らして、レンは梢の上に立ってこちらを睥睨する二つの影をしっかりと見据えた。

その双眼は、血でも垂らしたかのように紅蓮に染まっている。

ズッ、とレンの左肩のところに突如として過剰光が現れ、ピンポン球ほどの漆黒の球体が形成される。それはまるで指を動かすが如く、滑らかで自然に投影された。

「な…………ッッ!!」

「速いッ!」

頭上の二人が驚愕の声を洩らす。

当たり前だ。心意技を発動するのは、集中→投影のファクターが必要不可欠だ。熟練者になると、戦闘の最中でも集中ができるようになるが、今のレンの心意はそれと同じ次元ではない。

その二つの重要なファクターのうちの集中を抜いているような速度。そんなことはありえない。

「今回のにーちゃんたちの教訓は《窮鼠猫を噛む》、かな?追い詰め
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