魔法先生ネギま!
0366話
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み、既に慣れた手順の如く首筋へと手刀を振り下ろす。
「あ……」
一言だけ呟き意識を失ったあやかを抱きとめて地面に寝かせ、最後の1人へと視線を向ける。
「さすがアクセル君ね」
「……降伏するか?」
そんな俺の問いに、円はキッパリと首を横に振る。
「まさか。それに自分に危機が迫ったからってあっさりと諦めるような女、アクセル君は嫌いでしょ? だから……勝てないまでも最後の最後まで足掻いてみせる!」
その言葉と同時に、大きく手を振る円。その軌跡に沿ったかのように炎が現れ、それが俺へと向かって迫る。
その炎のラインとでも言うべき攻撃。その炎を瞬動で避けて地を蹴り、空中へと移動して虚空瞬動を使い円との距離を縮めていく。
俺が移動していく間にも必死に純炎の涙を使い炎を作り出す円だったが、その全てを虚空瞬動で小刻みに移動しながら回避し、ついには円の懐へと潜り込み……
「何!?」
まずは地面へと降ろそうと、ズボンに包まれた右足首へと手を伸ばした。だが、その足首を掴んだと思った次の瞬間に円の姿がまるで幻だったかのように消え去っていたのだ。
同時に背後からは何かが飛ぶ音が聞こえて来る。
「ちぃっ!」
虚空瞬動を使い、空中を蹴ろうとするが……数瞬遅く、俺の背へと数個の火球が命中する。
「ぐぅっ!」
背中を焼かれる痛みに眉を顰め、だがそれでも空中を踏みしめて虚空瞬動を発動。背中へと命中した火球以外の物はなんとか回避する事に成功する。
「それまで! 試合終了だ!」
エヴァの声が響いたのは、そんな俺が地面へと着地した瞬間だった。
その声を聞き、溜息を吐きながら戦闘態勢を解除する。そして目に入ったのは、まるで悪戯が成功したのを見届けて、してやったりというような笑顔をを浮かべているエヴァだった。
まぁ、エヴァにしてみればまさにそういう気分だったのだろう。
「さて、お前が足手纏いになると判断したあいつ等はどうだった?」
「……エヴァの特訓の成果か?」
「まぁ、それもある……といった所だな」
「他にも何かあるのか?」
そう尋ねた俺に先程までの笑みを消し、呆れたような視線を向けてくるエヴァ。
「お前な、鈍いのもいい加減にしろよ。女が自分の好きな相手が危険な場所に行くと言ってるのに、それを足手纏いだと断られたんだぞ? お前を1人で行かせずに、自分達も一緒に行く。その為だけに奴等は私の訓練を続けてきたんだ。それもこの別荘の中での時間を使ってな」
「……」
「くくっ、愛されてるじゃないか」
「ちょっ、エヴァちゃん!? 余り変な事をアクセル君に吹き込まないでよね!」
いつの間にか俺の側に来ていた円がエヴァの言葉を横で聞いていたのか食ってかかる。
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