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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter24「影が追い求めし世界」
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そう呼ぶだけだ。不愉快この上ない」

「やれやれ……」

呆れたような口調でお手上げとでも言うかのように、両手を上げるスカリエッティ。
机の上に置いてあった黄金の懐中時計で時間を確認すると、白衣に懐中時計を収める。

「確かに頂いたよ。造形は色彩以外はレプリカとそう変わらないようだが……」

「心配はいらん。貴様が私の時計を解析し作ったレプリカとは違いそれは純正だ。2番目と同じような事にはならん」

「成る程……しかしそんな希少な時計を君でいう出来損ないに渡しても大丈夫なのかな?」

「出来損ないの中でも4番目はそれなりに期待があるようなのでな……それに出来損ないには、出来損ないの持っていた物が似合いだ」

「 ? 」

「目的の物は渡した……さっさと失せろ。私は多忙なのだ」

「相変わらず私の扱いが不粋で残念な気もするが、それはそれで君らしくあるから安心するよ。それではまた会おう……“治療”も程々にしたまえよ」

「フン……」

魔方陣がスカリエッティの足下に現れ、スカリエッティは自分の拠点の1つでもあるラボへと転移し、屋敷を後にする。

「……目的を果すまでは、どんな事をしてでも私は生き残ってみせる……例え……」

漆黒のフードを手に取り、自らに覆い被せ、顔に手をやり仮面を外すと、壁に掛けているバイザーを顔に着け、外へと繋がる扉に手をかけ、ドアノブを引く。

「私が欲した未来を手にした“奴”をこの手で消しさる事になったとしてもな……!」

銀の懐中時計を胸の前で突き出すように翳し、仮面の男の姿は漆黒の異形の者へと変貌し、何らかの魔法を発動させその姿を消した。


その翌日。


時空管理局・本局所属の数名の武装隊員が何者かの襲撃を受け、意識不明の重体となるという不可解な事件が起きる。地上限定だったとはいえ、ここ数週間で似たような事件が立て続けに起こっている事に対し、事態を重く見た本局の重鎮は、地上本部の実質トップでもあるレジアス・ゲイズ中将に海と陸がこの件に互いに手を取り合い協力していくよう提案するが、これをレジアスは拒否。

両者の対立の溝は、陸の一方的な反発により益々深まる事になるのであった。


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