星屑の覚醒
4 絶望の理由
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れていた。
名前は三崎七海。
ミヤの親友で自分たちのクラスメイトの少女だった。
ウェーブのかかった赤みのある髪で、彩斗自身も見覚えがあった。
彼女が来るまで彩斗はベッドの中で苦しみ続けていた。
呼吸まで辛くなり、必死に自問自答を繰り返していた。
そしてちょうど答えを見つけた。
復讐だ。
ミヤや自分を苦しめてきた人間全てを殺す。
法が働かないなら自ら罰を与えるしかない。
仮に警察に任せようとも、同じことを何度も繰り返す。
実際にミヤが教師に訴えても、一時的な平和が訪れただけで、結局は正しいミヤがあのイカれた連中に殺されかかった。
今回、警察に捕まっても、きっと今度は彩斗が殺されるだけでは済まない。
メリーや他の人間にも危害が及ぶ。
中学1年ではせいぜい13歳、つまり刑事責任は問われない。
本来は悪を裁く武器として機能しなければならない法が、足枷となり連中を甘やかす
その連鎖を断ち切るには殺害以外の選択肢はない。
だが自分にはその勇気がなく、殺害どころか暴力にも恐怖を抱いていた。
それに悩んでいた時の来客だった。
「ごめんなさい!!私のせいで...ミヤとあなたが...」
七海はいきなり謝った。
彩斗にとってはワケが分からなかった。
犯行を実行した不良たちが謝るなら分かる。
だが謝ったのは全く関係のない人間だった。
「私...脅されて、あなた達が放課後にあの公園に一緒に行くことを喋った...」
「...そうかい」
彩斗は生返事だった。
そんなことはどうでもよかった。
最終的に物事は結果で扱われる社会で報われない努力は無駄だった。
だが更なる怒りが込み上げた。
「言い訳するつもりはない...でも暗い工場でナイフと銃を突きつけられて無理やり...怖かった...」
連中は七海にミヤと自分の情報を吐かせるために、恐怖の力を使った。
言わなければ殺されるという恐怖。
それは普通の人間ならば、屈する暗黒の力だった。
「もういいよ。帰ってくれ」
彩斗は無気力にそう返した。
自分は恐怖を克服するための方法を考えねばならない。
もはや強迫観念に取り付かれたように復讐のことしか考えられなくなっていた。
だが七海は去り際に彩斗に手紙を渡した。
彩斗は力が入っていない手でそれを受け取る。
「さっき男の人が沢城くんに渡してくれって」
「......」
彩斗は黙り込み、七海は泣きながら病室を後にした。
黒い封筒に入った宛先も送り主も明記されていない不気味な手紙だった。
開くとそこには彩斗にとっては天の救いにも思えることが陳列されていた。
彩斗は自分が復讐に駆られるあまり空っぽになっていることに気づいていなかった。
ただ機械のように入院着を脱ぎ、ハートレスの持って
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