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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
4 絶望の理由
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降りた。

「サイトさん!!ダメです!!まだ動いちゃ!!」
「いいんだ...」

彩斗はメリーの制止も聞かずに病室を飛び出す。
そして集中治療室を目指した。
体がふらつくものの、メリーの肩を借りながら歩き続ける。
だが待合室を通りかかった時、信じられない光景を目にする。
さっき自分の部屋を訪ねてきた担任の教師だ。
Arrowsを使って電話を掛けていた。
だが問題はその内容だった。

「ええ、体育館近くの監視カメラ映像を削除しておいてください。そこに証拠が映っているそうです」

「!?」

教師は唯一の証拠とも呼べる映像データを削除するように指示を出していた。

「その映像が無ければ、ウチの学校で生徒が殺人未遂の傷害事件を起こした証拠は無くなります。高垣と沢城には可哀相ですが、2人の犠牲で40人近い生徒たちが救われるんです。今は不良でもいつかはこれからの未来を担う子供達です。小さな犠牲ですよ」

教師は彩斗が聞いていることなど知らず大声で笑っていた。
最初から彩斗は不良たちに校外で変なトラブルを起こさないようなストレス発散用のサンドバッグ、そして学校のシステムを変えようとするミヤは邪魔者という扱いだったのだ。
そして今回の不祥事、もし外にバレれば学校の信頼はガタ落ちとなる。

「警察も私たちには手を出せません。警察に取り締まる気など無いのですから」

彩斗はその場に崩れた。
耳を疑うこともなかった。
いくら街が腐っていても警察は正しいものの味方だと信じていた。
だが学校からも警察からも裏切られ、ただ一方的に被害を主張しようとも妄言として処理され、ますます自分が蔑まれるという構図ができていた。

「サイトさん...あの先生、一発殴ってきますか?私行きます」
「...いいんだ。あいつを殴ったって何も解決しない...」

彩斗は立ち上がると、メリーの頭を撫で、再び歩き出す。
声が今にも泣きそうなくらい弱々しくなっていた。
そしてとうとう「ICU」と書かれた集中治療室へと辿り着いた。

「ミヤ...」

ガラス越しに頭には包帯、頬には生々しい傷、そして人工呼吸器で生かされているミヤが見えた。
まるで植物人間と言ってもいいくらいの状態だった。
あの明るい笑顔の欠片もない。
悲痛な痛みに耐え続け、歪んでしまっている。
自分のせいだと思った。
ミヤは自分を助けようとしたから傷ついたのだと。
だがそれに追い打ちをかけることが起こる。

「あなたが沢城くんですか?」
「...あなたは?」

彩斗には見当がついていた。
外見がミヤそっくりの女性から声を掛けられた。
母親だとすぐに分かった。
身長は160センチメートル以下で娘よりも小さく、自分と同じくらいの身長だった。

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