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ヘタリア大帝国
TURN84 山下の焦りその四

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「連合のこともありますし早急に終わらせたいですが」
「その連合国ですが」
 小澤が言う。
「どうもそのダメージが彼等の予想を遥かに超えていて」
「それでか」
 東郷は話を聞いて言葉を出した。
「暫くは来ないか」
「時間的余裕はあります」
「奥州もかなり派手にやり合ったからな」
「ああ、欧州は壮絶だよ」    
 ハンガリー兄が欧州の現状を話す。
「エイリスも相当な損害を出してね」
「無事なのは星域だけか」
「うん、かなり疲弊してるよ」
 そしてだった。
「ドクツとその占領地域、それにイタリンとソビエトの大部分もね」
「戦場になったな」
「総力戦でかなり消耗したし」
「それでだな」
「うん、戦力の再編成に手間取っていてもね」
「不思議じゃないか」
「兵器も随分壊れたし」
 それにだった。
「将兵もね。戦死者こそ少なくても」
 それでもだというのだ。
「負傷者が多いから」
「主要四国全てか」 
 エイリスにソビエト、ドクツ、それにイタリンだ。
「そうした状況か」
「あっ、イタリンは殆ど無傷だから」
 ハンガリー兄は東郷にこのことも話した。
「戦場になったけれどね」
「ダメージを受けたのはドクツ軍だけか」
「そうなんだ、イタちゃん達はね」
「だって怖いじゃない!」
 イタリアは泣きそうな顔でハンガリー兄に叫ぶ。
「エイリス凄く強いんだよ!凄く怖かったから!」
「それでも戦うことが基本だが」
 ドイツはそんなイタリアの言葉を呆れながら聞いて呟く。
「全く、困った奴だ」
「イタリアらしくていいと思いますが」
 オーストリアはドイツの横で普通に言う。
「いいと思いませんか」
「何故御前といい相棒といいイタリア達に徹底的に優しい」
「嫌いでないですから」
 優しい理由としては十分だった。
「ですから」
「それでか」
「はい、だからです」
「俺も確かにイタリア達は嫌いではないが」
「貴方の場合は嫌いではないからこそですね」
「放っておけない」
 ドイツの厳しさも好感故のことだった、この辺りにドイツとオーストリア、プロイセンの違いがあると言える。
「だからだがな」
「そういうことで」
「とにかくイタリンのダメージは少ない」
 このことは確かだった。
「しかしだな」
「三国共あまり数には入れてないみたいだよ」
 ハンガリー兄が言う三国は言うまでもなかった。
「そうした状況だよ」
「三国共ダメージは大きいか、なら願ったりだ」 
 ダグラスは鋭い目でその状況をよしとした。
「連中が手間取ってる間にアステカとの戦いを終わらせる。長期戦になってもな」
「この戦いは半年だな」
 ベトナムが言う。
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