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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter23「つながる歯車」
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「あぐっ……よ、容赦ないですね……けど、私が見たいお兄様の姿は別にあります」
「………」
むくっとゆっくり立ち上がり、双剣を地面に突き立てる。エルツーは笑顔のまま腰元からある物を取り出した。そして、それを見たルドガーは再び驚愕した。
「それは…!?」
驚くルドガーを見て気分を良くしたのかエルツーは子供のようにニッコリ笑い、胸元で両手で突き出すようにそれを翳す。
「いいでしょ、これ?」
彼女の手にある物は歯車をあしらった碧の懐中時計……クルスニクの末裔の中でも希少な骸殻能力者が生まれ持ってくる物だ。
「まさか…お前は…!」
「私が何者かなんて考えている時間なんてありませんよ……お兄様!」
こちらに駆けるエルツーの姿が輝くと共に姿が変わる。
「純粋な骸殻の力を見せてもらいます!」
ルドガーの頬をエルツーの双剣が掠め、血が飛び散る。
(これは間違いない…骸殻!……それもハーフレベルの能力者!)
繰り出される骸殻の力でいびつな形へ変貌した双剣をカストールで捌きながらエルツーの容姿を改めて見直す。顔と露出した生足は骸殻の力特有の暗く変色した肌に黄色のタトゥーが所々入り、上半身の漆黒の装甲部には青い紋様が入り、手首から歯車のような物が生えている。
「いくらお兄様が強くても、その姿のままでは十中八九苦戦は免れない……腕の一本くらいはモグ自信はありますよ!」
相手の目的はルドガーに骸殻を使わせること。骸殻に変身すればこの少女の動きを制する事は今よりも簡単だろうが、わざわざ敵の策に乗る必要はない。骸殻に変身せずハーフ骸殻能力者相手にルドガーはほぼ互角の戦いを演じる。そのルドガーの実力にエルツーは“最強の骸殻能力者”という存在がどれほどのモノか肌で感じ舌を巻く。
「やめろ、それ以上骸殻を使うな。時歪の因子化が進行するぞ!」
躊躇なく骸殻の力を存分に使うエルツーにルドガーは、かつての自分と同じく彼女が骸殻のデメリットを知らずに戦っているのではと考える。だとしたら敵とはいえ見過ごせないため忠告する。
「それっ!嫌ですよ。こんなに心踊る戦いなのにっ、途中で終わるだなんて……不完全燃焼すぎ…ですっ!」
(コイツ……リスクを知って……!)
リスクを知ってここまで骸殻を使っているという事はもはや言葉で戦いを止めさせる事は不可能。シグナムとは別のベクトルの根っからの戦闘狂なのだこのエルツーという少女は。
「九那射!」
距離を取ったルドガーへ無数の黄色い球体を召喚し、一斉にルドガーに襲い掛かからせる。
「フッ、セイ!ハッ!」
ルドガーの弾幕を弾き返していたエルツー以上の剣速で九那射をカストールで捌き、グランドを駆ける。駆けながらカストールをブーメランの
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