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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter23「つながる歯車」
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である。戦いが終わりようやく一息つける……骸殻を解こうとしようとしたが……

「……ルドガー」

ルドガーの背中にはやてが話し掛ける。

「ルドガー、何が起こったか説明してや」

「…………」

どう説明するか悩み所だ。当事者であるルドガー自身ですら何故こうなったか正直わかっていない。槍を収め、スリークォーター骸殻の姿のままはやて達の間を歩いて抜ける。目の前で歩く存在が自分達がよく知る人物だとわかっていても、ハーフ骸殻以上の人外な容姿と力を持ったスリークォーター骸殻の放つ異様なオーラに少なからず畏縮してしまう。

「悪い……俺にもわからないんだ……上手く説明できない」

「はぁ?お前この期に及んで何寝呆けた事言ってやがんだ!」

骸殻を解除したルドガーの発言に納得がいかないヴィータが怒鳴り散らし、その声ではっとなる六課メンバー。

「さっきの奴の格好はお前と同じ骸殻なんだろ?わからないワケねーだろうがっ!」

「………」

ルドガーにヴィータがグラーフアイゼンを突き着ける。話さなければ潰す。

本気の殺意……自分を睨む彼女の瞳は確かにそう告げている。
ルドガーはその瞳から逃げずに真っ直ぐ見据える。

「はぁ〜……もうええわ。とりあえず今は何も聞かずおいたる」

「オイ、はやて!」

「ええんよ。そのかわり話しがまとまったらちゃんと話してくれるか?」

ルドガーとはやては真っ直ぐ見つめ合う。はやての目を見たルドガーはこんなにも彼女は自分を信じてくれている事に嬉しさを覚えると共に、そんなはやての気持ちを裏切っている自分に怒りを覚える。

「ごめん……必ず話すよ」

「うん、わかった。待っとるよ」

それだけを言い残しルドガーははやて達を残しグランドを後にする。残された者達は今の会話で広がった気まずさで何も言えないでいた。

「はやて……これでよかったの?」

「ルドガー君にも事情があるにせよ、やっぱり何が起こったのか説明くらいは……」

「わかっとる……あの女の子が何者なんか、どうしてルドガーと同じ骸殻を使ってるのかホントだと全
部きかなあかん……せやけど肝心なルドガー自身があの様子やとホンマにわかっとらん。混乱しとるのは案外ルドガーなのかもしれんな」

今回の事件は謎が多い。
聖王教会からの依頼で管理外世界である地球で対象ロストロギアの回収。そしてそれを見計らったかのように現れた謎の襲撃者の少女。二つの事件の関連性を疑わない方が逆におかしい。
近い内にはやては自分が知りたいルドガーの全てを知る日が近い事を何となく感じていた。


決してかみ合う事のない2つの歯車が今、新たなる時を紡ぐ。



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