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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第1話 「ザ○とは違うのだよ。ザ○とは」
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ぞ。
 銀河英雄伝説じゃなくて、宇宙世紀の世界になっちまった。
 俺は悪くない。俺は悪くない。俺は悪くない。
 よし、自己暗示完了。
 これはこれで使いどころが見つかると思うしな。なんでも使い方次第だ。
 それにロリコンな親父の事だ。アンネローゼにも手を出すだろうし、そうするとラインハルトも来るだろう。まあ来たら、こいつに乗せてやる。ザ○に乗って戦うラインハルト。想像したら笑えてくる。もう原作なんかどうでもいいや。
 なんも考えずに言っちゃった言葉で、原作ブレイクしちゃったし。
 始まる前から終わっちゃったって感じ?
 いや〜申し訳ない。
 ごめんね、ラインハルト。お前の出番ないわ。

「殿下」

 うるせえ爺がやってきやがった。国務尚書のリヒテンラーデだ。
 親父は酒びたりでも許されるのに、俺には一々文句を言ってくる。うぜえよ。皇帝になったら、帝国宰相にでもして、丸投げしてやるからな。そして俺は酒池肉林で過ごしてやる。

「なんだよ」
「その物言いは銀河帝国皇太子殿下とは思えませぬぞ。お気をつけなされ」
「へいへい」
「まったく」

 爺は汗を拭きつつ、愚痴りだす。年寄りの愚痴は長いんだ。

「ところで何用だ」
「おお、そうでした。ブラウンシュバイク公爵とリッテンハイム侯爵が、殿下と面会の約束があるとやってきております」
「来たか、よし行こう」

 足早にノイエ・サンスーシを横切る。
 ああもう、ルドルフの野郎。こんだけ広い宮廷を造るんならよ、便利なようにしておけ。のんびり歩いてばかりって訳じゃないだろ。急いでいるときは面倒なんだよ。
 バイクで突っ走ってやりたいぜ。
 文官や女官たちが俺の姿を認めるのと同時に、廊下の端に下がっていく。
 その中を肩で風切って歩く俺。
 こういうところが皇太子らしくないと言われる所以なのかもしれない。
 やたら重厚な扉を人力で開ける。
 自動ドアにしとけよ。皇帝になったら、この辺りも変更してやる。
 中に入ると、若いブラウンシュバイク公爵とリッテンハイム侯爵が、座っていたソファーから立ち上がり、挨拶しようとしてくる。

「挨拶はよい。非公式なものであるし、なにより我らは義兄弟ではないか、今日は我ら三人で胸襟を開き、話し合いたいと思っているのだ」
「はっ」

 二人が揃って返事を返してくる。
 一応この二人って、俺の義兄になるんだよな。勘弁して欲しいぜ。
 堪忍、堪忍や。許してたもれ。

「さて、いきなり本題で悪いが、卿らは現在の銀河帝国の現状をどう思っているのだ?」
「現状でございますか?」
「うむ。自由惑星同盟との長きに渡る戦争。それにともなう財政赤字。門閥貴族達の在り方。いまや銀河帝国は未曾有の危機の中にあるといっても過言ではな
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