星屑の覚醒
3 謎のメール
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ミヤに話し掛けた。
「一体何をしたんだい?」
これだけの事が一日で起こったというのも不思議だった。
だが原因があるとすれば、ミヤ以外に考えられない。
「フフフッ。私は魔法使いだから、魔法の呪文を唱えたんだよ」
ミヤはご機嫌だった。
そしてそれは辺りのクラスメイトたちも笑顔だった。
「どんな呪文?」
「『アキちゃんをいじめると文科省に訴える!!』って言ったの」
「...素敵な呪文だね」
ミヤは生徒会長として教師陣を相手取り、学校の不正を正そうとしていた。
この学校でいじめられているのは彩斗だけではなかった。
だが教師たちはそれを助けないばかりか、自らもそれに便乗し、宿題を多く出したり、授業中に分からないことを知っていながら難問を叩きつけ晒し者にする。
そんな教育体制を改正すべく打って出た。
「だってこの街の教育委員会も警察も頼れない。もう外の機関に頼るしか無いじゃない」
「...そうだね」
「昨日のアキちゃんが不良に向かって立ち上がったのを見てようやく勇気が出た。ありがとう」
「こちらこそ」
「それにアキちゃんにも分かって欲しくて。この学校の全員がアキちゃんの敵じゃない。アキちゃんがいい人だって分かってくれる人もいる」
彩斗はそれを聞いて振り返る。
するとそこには数人のクラスメイトがいた。
「ごめんね、沢城くん。今まで助けられなくて...」
「私も...今までアキくんの事を誤解してた」
彩斗はため息をつきながら席に戻り、授業を受けた。
幸せな時間だった。
普通の生活だ。
皆、まじめに授業を受け、助け合いながらの学校生活。
だがここまで尊いものだということを思い知った。
そして放課後はミヤとともに公園に行き、悩みや思い出を語り合った。
メリーも交じり、何気ないことを語り合う。
精神衛生を向上させるにはいい方法だという。
その効果を身を以て体験していた。
暴力もなく、ただ平和な日々だった。
その中でミヤについても知ることになった。
「君は自分の苗字が嫌いって言ったね?どうして?」
「それは...お母さんが...嫌いだから」
ミヤの話によれば、母親が仕事にのめり込み、ここ数年で人が変わってしまったらしい。
父親が海外出張という中、母親だけが頼りだった。
だがその母親が家に帰ってこようとも、無視するどころか暴力を振るうようになった。
父親に電話を掛けてもすぐには帰ってこれない、電話が繋がらないなどと全く取り合ってもらえない。
もし家族の縁が切れたらどんなに楽かと思い始めていた。
そして彩斗の体にも影響があった。
ムーの力が向上始めたのだった。
「...何でだろう?」
ディーラーからすれば、かなりなの進歩だと喜ぶところだった。
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