星屑の覚醒
3 謎のメール
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ーに引き取られたばかりの頃。
自分がネットの世界を自由に歩き回れることに浮かれ、現実に戻ること無く昏睡状態になったことがあった。
しかし現実の体が昏睡でも意識は電脳空間で遊びまわっている。
電脳空間では自分の思うがままだった。
現実では走れば息が上がり、体質ゆえに他の子供たちと同じことが出来ない。
鬼ごっこですら喘息のような症状を起こして開始3分でダウンする。
それによって同じ施設の子供たちとも距離があった。
自分から声を掛けに行くことも出来ず、声を掛けられることもない。
だが電脳空間ならば何処までも走れる。
飛び跳ねることも出来るし、バック宙も側転も出来る。
そんな世界に逃避していたのだった。
だが気づけば、禁断のエリアに入ってしまっていた。
「ここは...」
真っ暗な世界で周りには先程とは全く違うネットナビたちが彷徨いている。
ウラインターネットに迷い込んだのだった。
闇というのは人の心に恐怖を植え付ける。
そして必死に出口を探して走り回っているうちに取り返しの付かない事態を引き起こすこととなった。
「ウワァァァ!!!!」
パネルを踏み外し、ウラインターネットの更に底へと落下した。
ウラインターネットの底。
これ以上にないくらいの罪人やあらゆる廃棄データが彷徨うエリア。
一度入ってしまえば、苦しみ、自分の罪を悔いながらデータの劣化と共に消滅するのを待つのみ。
彩斗は落ちた瞬間、意識を失い、目を覚ますとそこには不思議な光景が広がっていた。
「!?うわぁ!!あぁ!!」
悲鳴を上げた。
自分の下半身が消えかかっており、左手がもう完全に断片化していた。
恐怖で痛みは消えた。
だが眩い光と共に徐々に修復されていった。
振り返るとそこには人が立っていた。
「君は...?一体...」
菩薩のように悟りを開いたような表情に、上半身は黒タイツに黄金色のヘルメット・肩・腕のアーマー、下半身は白いサルエルパンツという外見のネットナビ。
『セレナード』だ。
その光のような羽衣で彩斗を包み、体のダメージを修復してくれたのだ。
「貴方の体に私のデータの一部をインストールすることで、データを修復しました。強力な回復力を持つプログラムです。もう大丈夫」
「....」
「どうやらこの世界の住人では無いようですね?一体何処から来たんです?」
「...現実の世界から...」
セレナードはそれを聞くと全て納得しような表情で、彩斗の心を読み取った。
「貴方は現実の世界から逃げてきたのでしょう?でも貴方の居場所はこの世界ではない。オモテの電脳世界でもない。現実に帰りなさい」
「でも!...現実なんて...辛いだけだよ...。僕は体が弱くて...みんなにバカにされて、みんなの
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