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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
学校長の思惑
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いかね?」
「利点ではなく、馬鹿にしているのではないでしょうか?」

 苦い表情で、スレイヤーは答えた。
「100ページ書くために、長々と書いておりますが、端的に言えば――シミュレーションはともかく、馬鹿な上官や使えない部下の苦労を今の段階で味わっておくのは有意義だと――これが面白いと?」
 いささか眉間にしわを寄せたスレイヤーに、シトレは思い出した様に小さく肩を震わせた。
「そこまではっきりと書いてはなかったと思うが」

「まとめれば一ページもあれば事足りる文章ですが。笑い事ではなく、どうなさるおつもりですか?」
「フェーガンの意見は残念ながら採用はできんだろう。これは正式な要請というわけではなく、あくまでも罰の一環だからな」
「それで納得するでしょうか」

「おそらくはアレス候補生は、それも理解して書いているのではないかな」
「と、言いますと」
「彼のレポートを見れば、最初から要望が通るとは思っていないようだ。それでも問題点について書いたのは、フェーガン候補生のためを思ってか――本人が聞けば、見る羽目になったとでも頭を抱えるかもしれんがね」

「ならば、これらは無視という事で良いですな」
「別にそれでも構わんと思うが。ここで馬鹿にされただけで終わるのは面白くない。少しアレス君にも驚いてもらおう」
 シトレは机に置かれたレポート用紙を見て、意地悪気な笑みを浮かべる。
 同時、スレイヤーは疲れを隠す事もせずにゆっくりとため息を吐くのだった。

 + + +

 どうしてこうなった。
 二学年に無事進級をして、半年余りが経過した。
 過去の過ちというのは、忘れた頃にやってくると昔聞いた覚えがある。
 確かに、すっかり忘れていた。

 課題だ。
 罰則の名の元に提出された授業改善計画など、すっかり忘れていた。
 あのフェーガンですら、提出して数カ月ほどはそわそわしていたが進級する段階になって結局は無視されたのだと気づいて、一時期は落ち込んでいた。
 その落ち込みすらも終わった九月――戦術シミュレート大会の告示がされた。

 馬鹿か。
「君の意見が採用されたようだ」
 フェーガンが自分ことのように喜んでいる。
 自分の意見が採用されないだけ、喜びは大きかったようだ。
 どうしてこうなった。
 それが正直な感想だ。

 普通であれば、戦術シミュレーションを実時間に合わせて行う事など不可能だろう。
 そもそも実際の戦闘が二時間で終わることなどあり得ない。
 移動するだけで数時間。下手をすれば数週間かかるのだ。
 戦場だけで切り取って見れば違うかもしれないが、それだけであれば何の意味もない。
 戦闘が開始された時点で、戦争の勝敗は決まっていると言ったのは誰だったか。

 譲歩して
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